あなたも知るアレも?!半径3メートルの「行動観察」から大ヒットを生んだ3つの事例

「行動観察」というマーケティングのメソッドが注目されています。
子どもたちに大人気の『妖怪ウォッチ』や『DAKARA』、『N-BOX』といった大ヒットはすべて行動観察の賜物だといいます。
ビッグデータやアンケート調査ではわからない、〝大ヒットの種〟を手に入れるための行動観察について、事例を豊富に紹介してくれるのが、本『半径3メートルの「行動観察」から大ヒットを生む方法』。
今日は本書から、「行動観察」から大ヒットを生んだ3つの事例を紹介します。
1. 『妖怪ウォッチ』は子供の「あるある」を調査
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『妖怪ウォッチ』の主人公ケータは現実的で普通すぎるのですが、子どもにも保護者にも共感できる部分が多い
P.41
サザエさんやちびまる子ちゃん的な日常性と、「妖怪」という非日常性を組み合わせているということです。ママさんライターに子どもたちを観察してもらい、週2回の企画会議で行動観察の成果を集約しています。そこから幼稚園・保育園児、小学校低・中学年層なら誰でも「あるある」と思うような悩みをピックアップ
ストーリーに活かしています。P.41
これはあの藤子不二雄さんがおっしゃっていたことと一致します。
優れたまんがは個性的であり、同時に一般的であります。
本『藤子・F・不二雄の発想術』P.180
個性的すぎて一人よがりではダメですが、読者目線を大切にすることも大切なわけです。『オバケのQ太郎』は僕の(正確には僕らの)作品系列の一つ、日常性と非日常性のドッキングという路線を意図的に確立した最初の一本と言えましょう。
つまり、ごくありふれた家庭の日常に、非日常そのもののオバケがやってきて引き起こす波紋が、この作品の眼目になっているのです。
同様に『パーマン』はスーパーマンの日常化であり、『怪物くん』は妖怪の日常化、(中略)『ドラえもん』で珍奇な空想的諸道具を日常化している本『藤子・F・不二雄の発想術』P.121
2. 『Suica』はカードを当てる最適な角度を調査、意匠権を取得

いまや駅の改札を通るときに切符を買う人は少なく、SuicaなどのICカードをつかう方が多いでしょう。
そのSuicaの実用化までにも、行動観察が生かされたのだそうです。
行動観察したことによってそれが明らかとなり、様々な工夫とテストを重ねた結果、タッチ部の傾斜は13度が最適だとして意匠権を取得したのだとか。実用化に向けて1996年、都内のJR田町駅にあった朝しか使われない臨時の改札口を使って自動改札の行動観察を実施しました。
そこで目にしたのは、使い慣れないICカード対応の自動改札機のモックアップ(試作品)を前にした被験者が、思いもよらない方法で改札を通過しようとする姿でした。
ICカードを当てるアンテナ部の場所がわからずに戸惑う人が多く見受けられ、なかには有人改札時代のクセが抜けないためにカードを改札機にタッチするのではなく、提示するだけで通ろうとする人も出て来る始末。P.89
角度にそこまでこだわりがあるとは驚きですね。
あらためて考えてみると、改札を通るときにICカードをどうしたら良いのか迷ったり戸惑った覚えはありません。
3. 『ポケットドルツ』は女性の持ち物を調査した

発売から半年で100万台を販売した、小型でオシャレな電動歯ブラシ『ポケットドルツ』。
若い女性に電動歯ブラシの市場を拡大したこの商品も、キッカケは行動観察だったのだとか。
そこでPanasonicでは、ランチ後に歯磨きをする女性たちの行動観察を実施。歯磨きのタイミングに関するアンケート調査を実施しました。そのアンケートによると、朝か夜に歯を磨くと答えた人がいずれも80%を超えていました。
そこまではPanasonicの担当者の想像通りだったのですが、ランチの後も歯を磨くと答えた人が全体の3分の1に達していました。そのうち66%は女性でした。(中略)
それまでの電動歯ブラシは朝か夜、自宅で磨くことを前提としていましたから、大型で持ち運びには不便だったのです。P.101
多くの女性が化粧ポーチに手磨き用の歯ブラシを入れていました。
そこから化粧ポーチに入れても違和感がない、マスカラのようなデザインでスリムタイプの『ポケットドルツ』が生まれたのです。
男性には女性の気持ちや行動が分からないことが多くあります。
ターゲットの行動観察をすれば、意外な発見が多く見つかりそうです。
まとめ
本書には他にも、以下のような事例があります。- クルマの消臭元クリップ(小林製薬)
- 油・水なしでパリッと焼けるギョーザ(味の素)
- N-BOX(本田技研工業)
- ドロリッチ(グリコ乳業)
- キュキュット(花王)
- ドット入り罫線ノート(コクヨS&T)
- 瞬足(アキレス)
- トップHYGIA(ライオン)
- ウーノ フォグバー(資生堂)
- DAKARA(サントリー)
- ムーニーマン(ユニ・チャーム)
- ファブリーズ(P&G)
あなたもよく知るあの製品が、どんな「行動観察」の結果生まれたのか、ぜひチェックしてみてください。
自社の商品・サービスについても、「行動観察」によって何か生み出せませんか?

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