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人生をより豊かに!『知的生活習慣』について意識すべき5つのこと  はてなブックマーク - 人生をより豊かに!『知的生活習慣』について意識すべき5つのこと

知的生活習慣 (ちくま新書)

「生活習慣」というと、睡眠や運動など「体」の生活習慣を考える方が多いでしょう。

ところが本『知的生活習慣』で著者・外山 滋比古さんは、心の生活習慣が大切だといいます。

知識、情報のあふれる現代では、健康的生活習慣だけでは不充分である。そのため精神の不具合や、障害を起こすことが多くなる。よい知的生活習慣を身につけ れば精神的活力の源となって、人生を豊かにすることができる。知的生活習慣によって、人間は新しい人間になることができる。

P.009
本書は、長年読み継がれる名著『思考の整理学』の外山 滋比古さんの新刊です。

今日はその中から、人生をより豊かにするために『知的生活習慣』について意識すべき5つのことを紹介します。





1. 「忘れる」ことも大事

悪い忘却ばかりではなく、有用な忘却もある。忘却は、悪玉だけでなく、善玉忘却も存在する。(中略)
忘却を一概に怖れ、嫌うのは間違っている。(中略)
”よく覚え、よく忘れろ”

P.038
「忘れる」というと悪いことのように考えがちです。

しかし例えば悪い出来事などは、早く忘れてしまったほうが良いですね。


さらに、以下のような話も出てきます。


2. 知識が多いと害もある

ものごとを考えるには、よけいな記憶があってはじゃまになる。知識と思考は仲がよくない。知識がふえればふえるほど、思考の必要が小さくなって、考えなくなる。必要が思考の母である。知識で間に合わせれば考えるまでもない。それでいつしか思考を忘れ、思考ができなくなる。

P.048

「何でも知っているバカがいる」(内田百閒)、「学術的基礎をもったバカほど始末の悪いものはない」(菊池寛)といった例外的意見もないではないが、知識は多々益々弁ず、多ければ多いほどよいという考え方が、日本人の知的活力を失わせてきたのかもしれない。
ただ知識が多いというだけで喜ぶのは幼稚である。

P.092

人間は知識のために生きるのではない。よりよく生きるためにある程度の知識、技術が必要なのである。知識追求、知識尊重の考えにとりつかれていると、人はそのことを忘れるらしい。

P.176
記憶するだけなら、コンピューターに負けてしまいます。

人間である私たちは何をすべきか。

知識のつめこみで満足していては、コンピューターに仕事を奪われるのです。


3. 知識を得たら、すぐには使わない

「ビジネス書を読んだらすぐ実践しなければ意味がない」なんていう話をよく聞きます。

私も以前はそのように思いつつ、どうもモヤモヤしていました。

しかし今はこのことがよく分かります。

知識は必要である。無知は問題外だが、知識が自由な思考を妨げるとしたら問題である。(中略)
知識を得たら、すぐに、使わない。時間をおいて、変化するのを待つ。善玉忘却によって知識を解体、浄化するのである。”時”の力を加えることで、知識は変容し、昇華する。正確でなくなるかもしれないが生産性を獲得する。そういう特化した知識は、思考と対立しない。

P.048
ふと必要になったときに、忘れていたような知識がよみがえり、線で繋がる瞬間があるのです。

詳細を忘れてしまうことを、恐れる必要はないのです。

そんな理由から、私はたくさんの本をざっくり読むことをオススメし、セミナーでお伝えしています


以下の本にも「知識が自由な思考を妨げる」ということが書かれています。

読んでいない本について堂々と語る方法


4. 脚力で知恵が生まれる

原稿を書くことがあると四苦八苦する。机をはなれ、外へ出て、うす暗がりの道を二、三十分歩いて帰ってくると、頭が少し変わったような気がして、つっかえていたところが、するすると抜けられる。味をしめて、夜の散歩を始めるようになった。

P.127

歩くのはただ脚を動かしているだけではない。それによって、頭のはたらきもよくなる。
脚力によって生まれる知恵がある。そう信じて、せっせと散歩するのである。

P.130
こんな本もあるくらいですから、間違いないでしょう。

一番の脳トレは「運動すること」 ~本『脳を鍛えるには運動しかない!』


5. おしゃべりエクササイズする

人間はしゃべる動物。だまってひとりでながい時をすごすのは人間ばなれしたことになる、と著者は言い、こう続けています。

おしゃべりの仲間がほしい。昔の人が茶飲み友だちと言ったのに近い。定期的に、集まって、勝手なことを存分にしゃべる。相手がひとりではおもしろくない。二、三人でもすくない。五、六人はほしい。なるべく畑違いの人がいい。

P.136

人の名前を出すと、ゴシップや、かげ口になりやすい。なるべく人の名前を出さない。できるだけ、あった話ではなく、未来に向かった浮世ばなれたことを、み んなでつつき合ってたのしむ。そうすると、めいめいの頭のはたらきが、はっきりよくなる——そういう仮説のもとに心おきなく、何でも思ったことをしゃべ る。

P.138
著者は毎月、知的会話をする会をしているといいます。

開催日を毎回決めるのが面倒だから、2月2日、3月3日、4月4日、と数字の重なる日に開催すると決め、これは10年ほど続いているのだとか。

さらに第三木曜の三木会、第一土曜の”いちど会”も行っているのだそうです。


先日、150人規模の飲み会での話を紹介したように、やはり人と会って話すこと、そして未来に向かう話をすることはとても楽しい知的活動ですね。

上司や年上の人から「可愛いヤツだ」と好かれ、応援してもらえる方法 #dpub11


まとめ

まさに「知的」な刺激を受ける本です。

読んでいてハッとするのはもちろん、様々な「善玉忘却していた」記憶と結びついたり、未来につながるアイデアが浮かんできました。


日記の実用価値は乏しい

など、えっ!?と思わされる内容もあるほか、川柳・俳句の話題が出てきて、以前から様々な俳句に触れて表現力・発想力を豊かにしたいと思っていた私は、これを買ってしまいました。


「知的」生活習慣と言いながら、体について触れているのも興味深いところです。

ぜひ読んでみてください。

マインドマップ


外山 滋比古さんといえば名著『思考の整理学』のほか、こちらの本もオススメ。

思考するための読書「乱読」の4つのポイント 〜本『乱読のセレンディピティ』





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