思考するための読書「乱読」の4つのポイント 〜本『乱読のセレンディピティ』

本『乱読のセレンディピティ』はこの「乱読」がいかに現代において重要で、どんな効果をもたらすのかが書かれている本。本があふれるいまの時代、もっともおもしろい読書法は乱読である。
P.19
あの名著『思考の整理学』の外山 滋比古氏による読書論ですから、気になる方も多いのでは?
- いかに速く読むか
- いかに記憶するか
今日は本書から、思考するための読書「乱読」の4つのポイントを紹介します。
1. やみくもに手当たり次第、読んでみる
手当たり次第、本を買って、読む。読めないものは投げ出す。身ゼニを切って買ったものだ。どうしようと、自由である。本に義理立てして読は、読了をしていれば、もの知りにはなるだろうが、知的個性はだんだん小さくなる。
P.18
これはと「思う」ような本ばかりだと、いつも似たような本ばかり・自分の専門分野の本ばかりで、乱読にならないわけです。やみくもに手当たり次第、これはと思わないようなものを買ってくる。そうして、軽い好奇心につられて読む。乱読である。
P.19
とはいえ、軽い好奇心がなければ、そもそも読む気にもならないでしょう。
2. 良書以外からも学ぶ
そして自分にとっての「悪書」からも、何かしら学べるような能動的読書ができれば、もっと読書を楽しめます。悪書にひっかかるのを怖れていれば、本など読めるものではない。雑書、俗書、不良本などだって、おもしろいものはあるだろう。おもしろくなければ捨てればいい。
読者はきわめつきの良書、古典のみを読むべきだというのは窮屈である。そういう価値ある本をもとめて苦労するのは愚かだ。
よさそうだと思ったのが、案外食わせものだった、ということだってあるが、それでも心ある読者ならなにかしらを得ることはできる。
読者が本の家来になるのではなく、年下の友人であるという自己規定をすると、たとえつまらぬ本でも、なにがしかの発見は可能になる。P.44
人で言えば、「Aさんの全てを尊敬できるわけではないが、仕事の早さだけは尊敬できる」ということがあるでしょう。
本でも、200ページ全てが良かったと思えなくても、たった1ページから発見があればそれで良いのです。
3. 知識より思考
知識を身につけるには本を読むに限る。もっとも手軽で、労少なくして、効果は小さくない。読書は勉強のもっとも有力な方法になる。真面目な人は正直だか ら、読めば読むほど優秀な人間になれるように勘違いする。実際、博学多識になることができる。それと裏腹に、頭のなかが空虚になるということを教えてくれるものがない。
頭が知識でいっぱいになれば、頭ははたらこうにも、はたらくどころではない。P.50
知識はすべて借り物である。頭のはたらきによる思考は自力による。(中略)
知識の方が思考より体裁がいいから、もの知りになって、思考を圧倒する。知識を振りまわして知的活動をしているように誤解する。P.51
「知識」をためこむのではなく、自力で「思考」することが大事というわけです。知識は、化石みたいなもの。それに対して思考は生きている。
知識、そして、思考の根をおろしているべき大地は、人間の生活である。その生活を大切にしない知的活動は、知識の遊戯でしかない。いくら、量的に増大しても、生きていく力とのかかわりが小さい。P.52
そのためには、いっそ本を読まずに考えるというのも面白い。
4. 乱読がセレンディピティを生む
セレンディピティ(serendipity)思いがけないことを発見する能力。とくに科学分野で失敗が思わぬ大発見につながったときに使われる。
P.82
積極的な乱読は、従来の読書ではまれにしか見られなかったセレンディピティがかなり多くおこるのではないか。それが、この本の考えである。
P.104
乱読本は読むものに、科学的影響を与える。全体としてはおもしろくなくても、部分的に化学反応をおこして熱くなる。発見のチャンスがある。
P.87
私はいまこの本『乱読のセレンディピティ』を紹介しながら、他の本や情報とのつながりを見つけ、それを紹介しています。一般に、乱読は速読である。それを粗雑な読みのように考えるのは偏見である。ゆっくり読んだのではとり逃すものを、風のように早く読むものが、案外、得るところが大きいということもあろう。乱読の効用である。
P.104
それは事前に狙ったものではなく、読んでみて初めて気づいた「発見」です。
いつもは選ばないような本を乱読すると、意外な発見があります。
「カラーバス選書法」も面白いですよ。
まとめ
読書の方法には色々ありますが、セレンディピティのために「乱読」してみるのも面白い。私は「乱読」をしているつもりでしたが、本書のいう「知識メタボ」になっているかもしれない、そう感じます。
「知識」を得れば得るほど、その借り物の知識を使うだけで満足し、「思考」しなくなってしまうのです。
これは先日読んだ本『読んでいない本について堂々と語る方法』に通じるものがあります。
特にその中にあるオスカー・ワイルドの言葉
は、今回の本『乱読のセレンディピティ』を読むことで、より理解が深まりました。「私は批評しないといけない本は読まないことにしている。読んだら影響を受けてしまうからだ」
本を読んで影響を受けすぎると、「思考」しなくなる危険があることを忘れてはいけません。
たまたま選んだこの二冊がつながるとは。これも、セレンディピティですね。
アイデア(思考)には何かキッカケが必要。
既存のものの新しい組み合わせがアイデアだと言われます。
そのための材料は読書で得られます。乱読していればそれだけ、面白い組み合わせが生まれるのです。
本書には他にも興味深いことが書かれています。
- 「忘却」の重要性
- 「修辞的残像」まで
読書について、これまでと違う考えに触れてみたい方はぜひ、読んでみてください。
…そして、自身でも読書について「思考」してみましょう。
本や著者の家来としての「読者」になるのではなく、「創作者」になるために。
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