『ガキ使』『から騒ぎ』『さんま御殿』のプロデューサー・ガースーのヒット連発仕事術とは?

そろそろ、楽しみですよね。
大晦日の「絶対に笑ってはいけない」。シリーズ9年目となる2014年のテーマは“大脱獄”なのだとか。
本『笑う仕事術』は、あの番組でも名前があがる「ガースー」こと、菅賢治プロデューサーの著書。
なんと彼、
- 『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』
- 『恋のから騒ぎ』
- 『踊る!さんま御殿!!』
今日は本書から、ヒット連発の彼の仕事術を4つ紹介します。
1. 「シンプル」に考える
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お笑い番組で、笑いを禁止する、というのも面白い考え方ですよね。「笑ったら引っぱたかれるってどうですか?」
今やNHK紅白歌合戦と並んで、大晦日年越しの定番テレビ番組にまで成長した「笑ってはいけない」シリーズは、天才・松本人志のそのひとことから始まりました。(中略)
それを聞いて、ボクは「ああ、やっぱこの人は天才なんだな」って思いました。非常にシンプルでわかりやすいですよね。ボクらはダウンタウンのふたりがひっぱたかれる単純な映像しか思い浮かばなかったのですが、それは「面白い!」と直感しました。P.17
他にも、番組タイトルもシンプルが良い、と書かれています。
たとえばケータイの動画配信サイトBeeTVで太田光さんと上田晋也さんだけが出るという番組は「太田と上田」、関根勤さん・麻里さん親子が、次々出てくる芸人を発掘していくという番組は「芸人!芸人!!芸人!!!」なのだとか(笑)。
でも、すごく分かりやすい。
2. 「日常」から発想する

明石家さんまさんが、番組中に若い女子アナにものすごく怒って、面白かったことがあったそうです。
それについて、楽屋で著者とこんなやりとりがあったのだとか。
これが、あの素人女性にさんまさんが説教する番組「恋のから騒ぎ」の企画につながったのです。さんま師匠が「今の若い女はムカつくな。こりゃ説教して回らなアカンな」と言い出しました。
「説教といえば、さっきの面白かったですね!」
「いや……オレはもう日本中の若い女、説教して回るわ。これ、もうテレビとか番組とか関係なしや。菅くんも来る?」
「いやいや、なんでそんなもん、ボクが付き合わなきゃいけないんですか。テレビでも行きませんよ(笑)」P.140
こんなふうに、雑談から企画が生まれることが多いのだとか。
あとで思い出して『あれくだらなかったな、これ笑ったな』ということから、意外と企画は生まれてくるんですよ
P.177
会議室でウンウンとやってるわけじゃないんですね。橋本忍がどういうふうに女にフラれたのかを聞いて大爆笑しながらも、「だけど男ってそういうところあるよな。何かそういうので番組できないかな」とか、どこかで考えているわけです。
P.178
アイデアって、本当に考えに考えたあと、ふとしたときに生まれてくるものです。
3. 「うまくいかない」ことを楽しむ

著者の若手時代、一回もやったことのないディレクターの仕事を上司の加藤さんから急に任されたことがあったそうです。
そのとき大きな事件が飛び込んできて、現場は大変なことに。ディレクターである著者は何も指示できず、うまくいかなかったといいます。
この加藤さんがキッカケで、著者は若手にどんどんチャンスを与えたり、若手の意見を尊重するようになったそうです。本番が終わってから加藤さんに呼ばれました。最悪、クビを覚悟して行くと、今日の感想を聞かれました。頭が真っ白になって、何も覚えてないことを伝えると、
「そうか。ま、テレビって楽しいだろ?来週も頑張れよ」
そう、加藤さんに笑顔で言われました。
実は、それまではいつ辞めようかなと考えていました。(中略)
でも、本番の時に心臓が口から飛び出しそうな緊張感や、何をやっても上手くいかないところまで含めて「テレビって楽しいだろ」と加藤さんに教えてもらったのです。
この加藤さんの言葉のおかげで、「よし、この世界で勝負してやろう。この商売で一生食ってやろう!」と、その時にボクは決意したのです。P.98
そういえば、同じくテレビ番組のプロデューサーの加地さんの本『たくらむ技術』には、「アクシデントを利用する」ということが書かれています。
うまくいかなかったこと・想定外の出来事をむしろ利用して、100点を超える出来にすることが大事なのだそうです。
4. 「若者」を尊重する

ボクの場合は独裁制は取りません。誰の意見だって聞く耳を持ちます。というか、今日入ったばかりのADの意見でも尊重します。(中略)
彼らがスタッフの中で誰よりも一番視聴者に近いからです。P.193
なかなかできることではありませんね。「だいたいオレが言ってること間違いがいっぱいあるからね。だからしゃべって」
座長がそういう態度だと、みんなに自由な空気が伝染していきます。一番偉い人の意見を入りたてのADが否定してもいいんだという空気になると、ものすごく闊達な意見の交換の場になります。(中略)
怒鳴っても頭ごなしに否定しても意味はないし、それこそ感情論でしかありませんから。P.194
どうしても「何」を言っているかではなく、「誰」が言っているかで意見が判断されがちではないでしょうか。
まとめ
他にも本書には、あの人気番組がどうやって生まれたか、そしてその番組の舞台裏も書かれており、バラエティ番組が好きな方ならきっと楽しめる一冊です。しかし、著者は日本テレビを退社しフリーとなっており、そのあたりの人生観についても意外にも「真面目」に読みたくなる本です。
特に上記の4をはじめとした、組織づくりの話にはとても共感します。
ぜひ読んでみてください。
フェイスブックページには、本書をまとめたマインドマップを掲載中です。
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- [2014/12/12 07:35]
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