悩みに悩んだ末、大手コンサル会社を辞め世界に200も学校を建てた男の話が刺激的 〜本『えんぴつの約束』

大企業の職を捨て、本当にやりたいこと(=貧しい地区の子どもに教育を与える活動)をしている若者がいます。目的のある人生は豊かでいつまでも充実している。それを知ったときになにが起きるかを、ぼくはこの本に記した。これはぼくの人生のストーリーだけど、だれに同じことが起きてもおかしくない。
Pencils of Promise (POP) の創設者・CEOのアダム・ブラウンは、
- フォーブスの「世界を変える30人(30歳以下)」
- WIREDの「世界を変える50人」
と、貧困で学校へ行けない世界の子どもたちのために寄付を集め、200もの学校を建てています。「どこで生まれたかによって人生の終点が決まっていいわけがない。人生を変える力を与えてくれるのは、なによりも質の高い教育だ」
そのストーリーがとにかくすごい。
読みながら、ある日本人お二人のことを思い出しました。
「施し」より「教育」、「お金」より「本当にやりたいこと」
著者は、これまで見たこともない光景を、インドで目にします。6か月の赤ちゃんを抱えた4歳の子供が、物乞いをしていたのです。
可哀想だとお金を渡せば、裏にいるギャングが同じことを繰り返します。著者は自分の無力さに気落ちし、以後、物乞いをする子どもたちのことばかり考えてしまったといいます。
そこであるとき、物乞いをする男の子に「もし何でも好きなものが手に入るとしたら、なにが欲しい?」質問します。
著者がこのとき驚いたように、私もこの本を読んでショックを受けました。男の子は少し考え、胸を張って答えた。
「えんぴつ」
「ほんとに?」
家族もいない、なにも持たない子どもがそんなものを欲しがるなんて。(中略)
「なんでもいいんだぞ。本当にもらえるかもしれないんだから」
その子は答えを変えなかった。
「えんぴつ」
ぼくのバックパックの中には黄色い鉛筆があった。それを抜き出して男の子に渡す。
鉛筆がぼくからその子の手にわたった瞬間、その子の顔がパっと輝いた。男の子はまるでダイヤモンドを見つめるように鉛筆を見ていた。(中略)
ぼくにとっては書くための道具でしかない鉛筆は、その子にとって扉を開く鍵だった。シンボルだったのだ。それは、創造性や好奇心や可能性への入り口だった。P.47
世界に教育の行き届かない子どもたちがたくさんいることはぼんやりと分かっていますが、食べるにも苦労しているであろう小さな子供が、そんなに勉強したがっているなんて。
また別の旅で著者は、グアテマラ人の40代男性に声をかけられます。
なまりの強い英語で、「うちに泊めるから、英語を教えてくれ」というのです。
その後三日間で著者とその男性は、英語を勉強できるようテープレコーダーに教材を録音したのです。「施しはいらない。ただ学びたい。アナタがいなくなってもワタシが子どもと村のみんなを教えられるように」
P.70
それから三ヶ月、南米の国々を旅をするあいだ、子どもの親たちにも何が一番欲しいかを聞いてまわりますが、やはり答えは「子どもに教育を受けさせたい」。
著者の教育への思いは強くなり、コンサルタントの仕事と平行して資金集めのパーティーを開きます。
その後のストーリーはぜひ、本『えんぴつの約束』を読んでみてください。
二度もお金よりPOPでの活動を選び、多くの人に助けられながら著者と組織が成長していく姿は、とても刺激的です。
迷いながらも「本当にやりたいこと」を選び、そして大きな志を持って多くの支援者たちの心を動かしてきたプレゼン力についても、大きな学びがあります。
日本で世界の教育問題に取り組む人たち
ある調査によると、自分にお金を使うより他人のために使うほうが幸福感が高まるそうです。POPのメンバーや支援者たちは、世界の子どもたちを喜ばせると同時に、自分の心を癒しているのかもしれません。
本書を読みながら、似た活動をしている2人の日本人を思い出しました。
一人は、e-Education Project代表の三輪開人さん。
日本の受験予備校のDVD講義の仕組みを、発展途上国の教育問題解決に活かそうと奮闘。バングラデシュなど様々な地域で、教育に恵まれなかった生徒がNo.1大学に合格するなどの実績をあげ、今年2014年にはNPO法人化。すごいです。
2014年5月には、私も少しだけ応援した「バングラデシュの患者を救え!最高の授業をナースの卵に届けよう」プロジェクトがついに始動したとe-Educationから連絡があり、ものすごくワクワクしました。
現在はこちらで寄付を受け付けています。
e-Educationについてはこの記事でも以前紹介したことがあるほか、三輪さんに以下の記事を寄稿していただきました。
もうお一人は、ISAK代表理事の小林りんさん。
面識はありませんが、TV「カンブリア宮殿」の放送を見て感動しました。
国連職員として駐在していたフィリピンで貧困層の厳しい現実を見た小林さんは、貧困層の教育水準向上、それもリーダー層の教育が国家の変革を導くと考えます。
そこで苦労のすえ軽井沢に全寮制の学校を作り、授業は全て英語・1学年49人のうち日本人はわずか3割という環境で、リーダー教育を行っています。
学校運営も学費も、基本的には寄付によって賄われており、こちらで寄付を受け付けています。
本『えんぴつの約束』やこの2つの組織の活動を考えてみて、あらためて「国を変えるには子どもを変えるのが早い」と感じます。
政治や大人を変えるよりも、子どもに教育を与えることが、未来を大きく変える、と。
ただ問題は、子どもを教育するのは大人であること。
結局、大人に世界を変える意識が必要なのです。
最後にもう1つだけ、本書から。
あなたも、ひらめきを「今」できることから行動に移してみませんか?夢を実現する人と夢見る人の違いは、最初のひらめきをすぐに行動に移すかどうかだ。小さな一歩を踏み出し、夢に向かって足あとを残してほしい。
P.7
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