かえのきかない人材になろう!『知的生産の技術とセンス』を高める4つのポイント

知的生産のセンス・個性のある人は、代わりがきかない人材だというわけです。どうすれば、かけがいのない人材になれるのでしょうか?(中略)
知的生産のセンスを身につけた人は、普段の仕事においても没個性なルーティン作業にあまんじることはないでしょう。ルーティンに見えるものの中にもよりよくできる何かを、少し異なる方法でできる何かを探し求めるはずです。そうした人は画一的な組織の中でも個性を獲得していきます。そして個性は代替不可能なのです。P.253
- 会議で、他の人が思いつかないような意見が言える
- SNSやブログで、意外な視点でコメントできる
では、知的生産(新しい情報・価値を生み出すこと)のセンスを磨くには、どうしたら良いでしょうか?
そのヒントが、今日9/25発売の本『知的生産の技術とセンス 知の巨人・梅棹忠夫に学ぶ情報活用術』にあります。
本書は知の探検家・梅棹忠夫先生の1969年の名著『知的生産の技術』の現代版。
今日は本書から、インプット・アウトプットの情報センスを磨く4つの考え方を紹介します。
1. 【インプット】「一人称の情報」を意識し、自分フィルターを磨く
皆さんが読んだ本、目にした出来事、ふと思いついたアイデアに対する一人称的な情報を記録し、蓄積してゆくことをおすすめします。
P.178
「一人称の情報」というのがポイント。ここで安易に、「この本は読んで感動した」「これは面白い」といった簡単な表現でやりすごすことをせずに、「私にとってこの出会いは何の意味があるのか?」という一人称の情報を繰り返し自分自身にフィードバックさせてゆくうちに、情報に対する感度は研ぎ澄まされていきます。それが私たち一人ひとりの、 知的フィールドといっていいものなのです。
そうして情報を取捨選択できるようになった人は、世界中にあふれる膨大な情報に対して一種のフィルターのような存在になります。自分自身の興味や価値観によって情報を選ぶことができるフィルターです。P.179
他人がどう思うかではなく、自分がどう考えるかを記録することが大事なのです。
たとえば読書するとき、まるで国語のテストのように「著者が一番言いたいこと」「本の一番重要なポイント」なんて考える必要はありません。
自分がどこに興味を持ち、何を考えたかが大切なのです。
2. 【インプット】自分の興味を刺激する「ニッチ」に目を光らせる
周りのみんなが追いかける情報を追いかけないと、話についていけない、なんて思わなくて良いのです。膨大なメディアとのつきあい方のヒントとしては二つあります。
一つ目はニッチに目を光らせるという点です。(中略)
ニッチとは隙間のことを指す単語で、大手のメディアでは扱うことができないほど細分化された、マニアックなテーマのことです。自分の興味を刺激してやまないニッチがもし存在するなら、そのテーマだけに情報を絞ればその分野では「専門家」になることが可能です。P.169
むしろ、ニッチを狙ったほうが、ニッチで価値のある情報を発信できるようになり、自分の価値も他人にはないレベルに高まるわけです。
たとえば私のお気に入りの文房具の一つが、ノート型ホワイトボードのnu board。
これが好きすぎて徹底的に情報収集し、自分なりの活用術を考えまくった結果、それをブログにアウトプットした記事は多くの方に読んでもらえました。
3. 【インプット】「発見の手帳」を書く
梅棹先生が高校生の時代にとっていた「発見の手帳」が参考になります。
P.116
情報を記録するのではなく、初めて世界を目にしたような驚きや好奇心を持って自分の「発見」を書き留めること、それがどんな知的生産の技術やツールを解説するよりも先に梅棹先生が強調した情報インプットの大前提
P.117
単なる情報の記録ではなく、心の動きを書いたほうが、面白さも違います。重要なのは、「発見の手帳」が単なる実用メモでも、日常の記録でもなかったという点です。
昨今は手帳やノートブーム、あるいはスマートフォンや身に付ける危機を活用して日常を記録する「ライフログ」がブーム(中略)
梅棹先生の説く「発見の手帳」は本質的に記録そのものではないという点は見逃せません。
単に記録という形で移し替えるのではなく、自分の心のなかに生じた感興も含めて取り込んでしまうところに違いがあります。それが「発見」なのです。P.119
まさにそれは「一人称の情報」ですね。
事実だけの「ライフログ」で本当に役立つの?という気持ちで、以前も似たことを書きました。
「発見の手帳」については以前、こちらにも詳しく書きました。
4. 【アウトプット】情報を「リミックス」する
自分なりの考えを生み出す、新しい情報を発信する、というのはなかなか難しく思えます。違うものと違うものをかけあわせ、新しい情報を生み出すこと。つまり、リミックスを加速するのが、発想法の役割
P.198
しかしとても簡単に自分なりの考えを生み出す方法は、情報をかけあわせることです。
何かの情報に対し、
- 別の情報
- 自分の経験
- 持っている知識
たとえば、「9/25名古屋駅が冠水」というニュースをインプットしたとき、あなたはどうコメント(アウトプット)しますか?
では、何も価値を生み出していません。「あぁ、かわいそう」
「ひどいなこりゃ」
IT企業に勤めている人ならその経験とかけあわせると、「電車が止まってしまったときの問題をスマホアプリで解決できないか?」など、何か面白い情報を生み出せるかもしれません。
あるいは実際に名古屋駅で電車が動かず通勤に困った方の中にヒッチハイク経験者がいたら、その人はタクシーの行列に並ばずにヒッチハイクで会社へ向かい、ツイッターにそれを投稿してちょっとした話題になったかもしれません。
情報をかけあわせることを意識すると、意外と簡単に新しい情報を生み出すことができます。
他人とは違う自分なりのアウトプットをする訓練には、「NewsPicks」が最適です。
まとめ
最後にもう1つだけ、本書から紹介しておきます。「世界に対して小さなプラスを積み重ねていく」なんて、なんだかワクワクしませんか?知的生産とは、新しい情報を単に生み出すのではなく、先人の情報に新しい価値を付け足していくプロセスでもあるのです。それは「一人称の情報」であるのはもちろん、いわば「世界に対して小さな+(プラス)を積み重ねていく」といいかえることもできる
P.87
ここでは、インプットについて3つ、アウトプットについて1つの考え方を紹介しました。
- 何をインプットするか
- 何をアウトプットするか
上記のような考え方でインプット・アウトプットを繰り返すことでその情報センスを磨き続ければ、きっとかえのきかない自分になれるでしょう。
本書には、有名な「京大型カード」や「こざね法」の解説や現代的な活かし方はもちろん、Evernote活用法やWebのクリップ法、デジタルとアナログの関係、書斎のレイアウト(!)にまで言及されています。
梅棹先生の『知的生産の技術』はもちろん、その現代版である本書『知的生産の技術とセンス』もかなり面白い1冊。オススメです!
ちなみに、私の「知的生産」に欠かせないのは「マインドマップ」。

このブログ記事自体が「知的生産」物だとするならば、本を読んでマインドマップをかいたことで
- 本の内容
- 自分の知識
- アイデアや考え
さぁこの記事を最後まで読んでくださったあなたは、どんな「知的生産」をしますか?
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[MM登録] 幸せがずっと続く12の行動習慣 http://t.co/ExGDJqQE5U 心理学者による科学的な「幸福度の高め方」。気になる。
— Kosuke (Ko's Style) (@kosstyle) 2014, 9月 17
- [2014/09/25 22:50]
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