エドワード・スノーデンはなぜ歴史上類を見ない内部告発をしたのか  はてなブックマーク - エドワード・スノーデンはなぜ歴史上類を見ない内部告発をしたのか

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全世界のメール、SNS、通話は米国NSA(国家安全保障局)の監視下にあった──。

衝撃の暴露をした、エドワード・スノーデン。

その概要を知っている方も多いと思いますが、詳細は知らないのではないでしょうか。


本『スノーデンファイル 地球上で最も追われている男の真実 』には、スノーデンがどのような経歴を持ち、どのような意図を持って歴史上類を見ない内部告発をしたか。その詳細が書かれています。

いかにそれが困難だったか、公表をめぐる政府とメディアとの攻防など、とても興味深い内容です。





米国NSA(国家安全保障局)があらゆる情報を傍受していた

2013年3月、クラッパーは上院情報委員会で、米政府は何百万というアメリカ人のデータを「意図的に」収集してはいないと証言した。スノーデンが言うよ うに、これは真実ではなかった。そしてクラッパー自身、のちにそのことを認めている。重罪に値するといってもよいだろう。(中略)
9・11以後、ブッシュ政権がいかに違法な盗聴を行っていたかをくわしく示す51ページのレポートだった。コードネーム「ステラウィンド」というこの盗聴プログラムでは、何百万ものアメリカ人の交信内容やメタデータを許可なく集めていた。

P.54

NSAがヤフーとグーグルのデータを傍受していることを『ワシントン・ポスト』がすっぱ抜いたのである。
(中略)
ヤフーにせよグーグルにせよ、顧客のデータの安全性確保に手を尽くしている。しかし彼らは、欧米にあるデータセンター間で情報を伝達する。インターネットケーブルをリースし、独自のプロトコルでこれを保護している。NSAは、英国を通るこのケーブルに侵入したのである。

P.203

スノーデンは(中略)米国が中国の民間人のテキストメッセージを大量に傍受していると暴露した。「NSAは携帯電話会社をハッキングするなど、あらゆる手を使ってみなさんのSMSデータを盗み出します」。

P.215
テロ防止のためだとしても、やりすぎな感はありますね。


私は自分の情報をNSAに情報を盗まれていたとしても「気持ち悪いなぁ」で済みます。

自分はこの点についてある種のあきらめがあります。

グーグル社員に自分のメールの全てを見られたとしても仕方ないとか、LINEの社員が自分のLINEのやりとりを見るかもしれないとか、どんなWebサービスを使うときも、良い悪いではなくそういう前提でいます。

写真屋へ写真プリントをお願いしたら、店員さんに自分の写真を見られても仕方ない、と思うのに似ているかもしれません。

ただそれを何かに利用されるのは困るし、そういう意味で大企業の経営者や政治家などは、ゾッとするでしょうね。


「自分の情報だ」と思っていても、Gmailを使えばメール本文の内容にマッチした広告が表示されるし、電車に乗ったりスマホを使えばその情報が「ビッグデータ」などといって売買される。

自分の情報が散々利用されていることを、あらためて考えてしまいます。


スノーデンの情報暴露の目的は…?

スノーデンは、歴史上類を見ない内部告発者。

世界最強ともいえる情報組織NSA(米国国家安全保障局)のトップシークレットを大量に持ち出し、世間に公表したのです。

そのキッカケ、目的が興味深い。

スノーデンはのちに、あるショッキングな出来事についてグリーンウォルドに語っている。極秘の金融情報を手に入れるため、CIAはあるスイスの銀行員をリクルートしようとした。やり方はこうだ。その銀行員を酒に酔わせ、車で帰宅させる。彼が警察に捕まったところで援助を申し出て、それをきっかけに仲よくなり、まんまと組織に引き入れるーー。
「ジュネーブで見たことは私を幻滅させるのに十分でした。我が国の政府がどのように機能し、どんな影響を世界で与えているのかを思い知りました。善よりもはるかに多くの悪を行う組織の、私も一員だったのです」と彼は言う。
結果的に彼は米政府の機密情報を漏らそうと決意する

P.38
本書によると、スノーデンの暴露の目的は、お金でも、左翼思想でもなかったようです。

むしろ愛国心から、自分の身の危険は分かっているのに実行したのです。

そのあたりの思想について、本書に詳しく書かれています。


スノーデンは日本が大好き、それが暴露のキッカケの1つ!?

スノーデンは10代になったばかりのころから日本に熱をあげていた。日本語も1年半ばかり勉強した。
(中略)
2001年にはこう書いている。「ずっと日本での成功を夢見てきた。政府系のラクな仕事でもあればなぁ」。対戦型格闘ゲーム「鉄拳」に夢中で、のちに、困難をものともせず悪と戦うこのゲームが自分の道徳観を形成したと述べている。

P.40
日本のゲームが彼の思想に影響していたとは驚きですね。

このようなスノーデンの思想が形成されていく様子や、恋人との関わりなども書かれているのが興味深いです。


結局、国が正しいのか?

本書を読んで思うのは、何が「正しい」のかということ。

スノーデンのしたことが「正しい」としても、母国に帰れば裁かれるでしょう。

企業での内部告発についても、かなりの勇気が必要。あらためてその難しさを感じます。


暴露報道をめぐる政府とメディアのせめぎあいなど、ノンフィクションであることを忘れてしまいそうな内容で、読み応えがあります。

TVドラマや映画を見る代わりに楽しめる一冊です。




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