上司の説教じゃ変わらない!社員全員が当事者意識を持つ組織を作る方法  はてなブックマーク - 上司の説教じゃ変わらない!社員全員が当事者意識を持つ組織を作る方法

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稲盛和夫氏によるJAL再建は、あまりにも鮮やかでした。

戦後最大の倒産と言われたJALを、たった3年弱で奇跡のV字回復・過去最高益に導いたのです。


破綻したJALの大きな問題の1つは、「当事者意識のなさ」だったようです。

破綻状態でも幹部らは「国が助けてくれる」と考え、エリートだった社員たちは「赤字でも国民に必要な会社なのだから何とかなる」と考えていたのです。


多くの組織が「社員の当事者意識のなさ」という問題を抱えていると思いますが、本書を読むと「当事者意識を持て」と部下に口で厳しく言うよりも、そうなる環境・仕組みづくりが大切なのだと分かります。

そしてそれは必ず、JALのように業績に影響するのです。


その仕組みづくりについて書かれているのが、本『全員で稼ぐ組織 JALを再生させた「アメーバ経営」の教科書 』です。

経営者でなくても、自分や周りの人のモチベーションをいかに上げるか、というヒントが見つかります。





1. 「数字」と「人間力」が両輪

京セラでは、「アメーバ経営」で全社員が経営者感覚と採算意識を持つようになる仕組みを持っています。

そして、「京セラフィロソフィ」の教育を徹底、社員の人間力を高めることで道を外れないようにし、またリーダーの影響力を強めているのです。

数字だけを追い求めると問題が起きる。逆に「社会に貢献」「社員の幸福が一番」などとキレイ事を言っているだけでは経営は成り立たない

その両方が必要だということです。


2. 社員全員が経営者感覚を持つ仕組み「アメーバ経営」

アメーバ経営の最大の特徴は、会社組織を「アメーバ」と呼ばれる小集団組織に分け、各アメーバのリーダーがまるで経営者のように小集団組織の経営を行うことです。(中略)
仕組みを支えるのが、経営数値を正確かつリアルタイムに把握する部門別採算制度です。(中略)
自分たちの努力の結果がすぐに数字に表れるーーここが、アメーバ経営のキーポイントと言える部分です。
「目標値」と「現在値」が数字で明確に見えるからこそ、その「差異」を縮め、なくしていくにはどうしたらいいか考えることができます。この差異が明確になると、人は努力を始めます。

P.4
自分が大企業3万人の中の1人では、自分の貢献度がわからない。

しかし5人のアメーバの1人で、その採算が見える化されていたら、自分の貢献度が丸見え

いかに採算を上げるか、一人ひとりが工夫するようになるでしょう。

これはモチベーションにもなるし、一方で非常に厳しい仕組みですね。


稲盛氏がアメーバ経営を生み出したキッカケは、京セラ設立3年目、新入社員が自分のことばかり考えて昇給など要求し、経営者の思いを理解していなかったことにあるといいます。

会社を大きくすること、売上を伸ばすことが、ひいては社員の生活向上につながる。(中略)
社員も経営者と同じ考えで経営に参加してもらわなければ企業経営はうまくいかない、と稲盛さんは痛感するようになりました。

P.32


3. 人間力アップを目指す「フィロソフィ」の教育

京セラグループでは、全従業員に「京セラフィロソフィ手帳」を配布し、さまざまな機会をとらえ、この手帳を活用してフィロソフィの浸透を図っています。
(中略)
たとえばこんな話があります。ある商品を1セット申し込まれたお客様に対して、「1か月後の展示会でこの商品は特別価格で販売されます。もしよろしければ、 その際に購入されてはいかがでしょうか」と弊社の販売担当者が正直に伝えたところ「大変いい情報をいただいた。ありがとう」とお客様に感謝されました。そしてお客様な展示会に来場され、なんと2セットを購入されました。

P.72
数字だけを追い求めていたら、目先の売上を優先させたかもしれません。

京セラフィロソフィでは「利他の心を判断基準にせよ」と説いています。それがこのような行動にあらわれ、お客様の信頼をつかむことになったわけです。


全員の人間力が高ければ道をはずれることなく、まっとうな仕事ができます。

また、リーダーの人間力が高ければ皆が尊敬し、周りが協力し、チーム全員のモチベーションが高まるでしょう。

稲盛氏がフィロソフィの教育にこだわる理由が、本書を読んでみてよく分かりました。


その京セラフィロソフィ、最近になってついにその詳細が一般向けに公開されました。



4. JALのV字回復の背景に、アメーバ経営+フィロソフィ教育

JAL再生を成し遂げた稲盛氏は、2013年3月にJAL取締役を退任。

マスコミなどから「破綻前のJALに後戻りすることはないのか」などと何度も質問を受けたそうです。

これに対してJAL植木社長は「もう元に戻ることはありません」と断言。こんな言葉を残しています。

もしかすると違う人でも再建できたのかもしれません。ですが、少なくとも今のJALはなかったということは確信をもって言えます。(中略)
よく 「名誉会長が来られて三年でこの会社と社員の何がいちばん変わりましたか」と聞かれます。一言で答えるならば、「採算意識が高まった」と言えばわかりやすいと思います。ですが、私は、何より社員の心が美しくなったことがいちばん変わったことだと感じています。それがすべてにいい影響を及ぼしているのです。

P.83
再建を始めた当初、幹部を集めて道徳の授業のようにフィロソフィ教育をしたところ、

「そんな精神論でJAL再生はできない」

と幹部からあからさまな反発もあったようです。それでもフィロソフィ教育を続けた結果がJALのV字回復、そして「社員の心が美しくなった」という言葉にあらわれていますね。


JAL再建については、以下の本により詳しく書かれています。

戦後最大の倒産でどん底のJALが、なぜ過去最高益をあげることができたのか 〜本『稲盛和夫 最後の闘い』


まとめ

実際のところ、アメーバ経営もフィロソフィ教育も、導入することは簡単ではないでしょう。

しかし本書からその考えを知ることはとても意味があると思います。

本書はタイトル通り「教科書」です。ここには書かなかった、かなり具体的な導入方法や事例が紹介されています。

たとえば、アメーバ経営は中国企業などからも、注目を集めているそうです。

これまで成果主義でモチベーションを上げてきましたが、その成長が行き詰ってきたためです。


経営の神様・稲盛和夫氏がどんな考えなのか、ぜひ読んでみてください。

Facebookページには、本書のマインドマップを掲載しています。




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