社長vs副社長!ジャパネットたかた社長がクビを懸けてまで取り組んだ4つのこと

ジャパネットたかたの高田社長は2013年、業績不振だったにも関わらず「過去最高益」を目標に掲げ、自らの首を懸けました。「ダメなら社長を辞める」
なぜそこまでする必要があったのか。
そしてそこで何が起こったのか。
本『「社長、辞めます! 」 ジャパネットたかた 激闘365日の舞台裏 』にその物語が書かれています。
当初は社内でも「無理では」と思われていたこの目標を、結果的に達成してしまいます。
高田社長はいかにして、どん底から過去最高益を叩きだしたのか。その方法を読み取って4つにまとめてみました。
1. 高い目標を設定する

テレビの販売額はピーク時の5%程度まで激減。10年に約960億円あったテレビ関連商品の売り上げは今や60億円に満たないほどだ。(中略)
スマートフォンやタブレット端末の急速な普及で、それまでジャパネットが得意としてきたデジタルカメラやカーナビなどの市場も縮小した。P.18
高田社長は背水の陣を敷く。
まず、ただ商品構成を大きく変えるだけでなく、過去最高益を更新するという目標を設定した。
(中略)
さらに、自分の進退を懸け、危機感を醸成した。他の経営者と比べて高田社長が特異な点は、創業者で、会社や社員の精神的な主柱であるばかりでなく、優れた話し手であり、トップセールスマンでもあることだ。
そんな存在がいきなりいなくなれば、会社に与える影響は計り知れない。P.24
どうすれば業績回復できるかではなく、どうすれば過去最高益を出せるか、という発想をした高田社長。単に「売り上げが落ちているから上げる」というのではなく、「社員が自分たちの力で高い目標を達成することで、ジャパネットの将来を自分たちがつくったという自信につなげる」ことが本当の目的でした。”辞任宣言”はそのための私のメッセージだったのです。
P.120
社長は以前、別の本で「目標に向かって頑張るのではなく、目の前にあることに懸命に取り組めば道が開ける」という考え方をお話されていましたから、その考えを変えてまで取り組んだということです。
攻めの姿勢を崩さないその様子に、社員も感化されていったといいます。
2. 若手に任せる

これまでトップダウンで結果を出してきた高田社長。12年2月に旭人副社長が高田社長へ東京オフィス開設の提案をし、4月に物件を見て、8月には開設というスピードの速さで、東京オフィスは始動した。(中略)
高田社長が佐世保の本社部門の強化に当たり、東京オフィスには基本的に関与しない。旭人副社長以下、若手社員に一任する格好だ。そこには、「私に頼ることな く、自ら課題を発見して、自力で解決する。社員が強くなれば、企業として強くなり、結果としてお客様の期待に応えていけるはず」という高田社長の強い想いが込められている。P.46
若手に任せることは、社長なしでも成り立つ強い会社にする目的だけでなく、社長にはない新しい発想を取り入れる狙いもあったようです。
3. 社内に競争意識を持ち込む

東京にオフィスを構えた狙いはそれだけではない。社内に競争意識を持ち込むためでもある。(中略)「人間は仲がいいだけでは成長できない」(高田社長)。 具体的には、高田社長が佐世保で主に地上波のテレビ通販番組を全面的に仕切り、東京は若手が専門チャンネルの番組を制作し、どちらがより多くの反響があるかを競い合うことになった。
P.27
東京オフィスを仕切っている高田旭人副社長は、高田社長の息子さん。例えば、2013年のヒット商品、「サイレントジューサー」は明暗が分かれた商品の1つである。高田社長が陣頭指揮を執って番組を作る佐世保は「おいしい」を全面に打ち出し、片や全権委任された東京は「健康にいい」とアピール。結果は佐世保の圧勝に終わる。その後、東京川も佐世保に習った紹介方法に修正したものの、悔しさは残った。
P.86
佐世保 vs 東京は、古株 vs 若手であり、社長 vs 副社長であり、父 vs 息子でもあるのです。
はじめは苦戦した若手の東京オフィスですが、社長の反対を押し切って始めた、1商品を1日限り大特価で売るイベント「チャレンジデー」が大成功。他にも2013年の過去最高益に大きく貢献した「レイコップ ふとんクリーナー」の大ヒットさせるなど、社長抜きでも結果を出し始めます。
4. 「成功法」にこだわらない

よくある通販番組は、同じ録画のものを何度も流していることが多いですが、ジャパネットは常に改善しています。成功した紹介方法にとどまらず、よりよい訴求を求め進化させ続けていくのがジャパネット流だ。最も注文が多く入った回の放映のコンテンツを何度も繰り返したくなるものだが、それをよしとせず、常に改善する。
P.61
これはより良いものになるだけでなく、視聴者を飽きさせませんね。
人間、どうしても過去の成功法にこだわってしまいがちです。
しかしジャパネットは東京の若手に全権委任することで、これまでの高田社長の感覚に合わない手法も取り入れました。
これが社長の想像をも超える成功につながったのです。
まとめ
これまでトップダウンで経営し、自身がトップセールスマンでもある高田社長。それが東京オフィスに全権委任し、しかも自らの首を懸けて目標である「過去最高益」を目指したというのは物凄い覚悟ですね。
100年続く企業にするために、「社長離れ」が必要だったわけです。
そしてもっとすごいのは、「過去最高益」の目標を達成してしまったこと。
今回社長は辞めませんでしたが、良い意味での社長離れは進んだようです。
社長が首を懸けてまで取り組んだ、激闘の日々の記録。
面白いです。
ぜひ読んでみてください。
Facebookページには、本書を読んでかいたマインドマップを掲載しています。
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— Kosuke (Ko's Style) (@kosstyle) 2014, 6月 26
- [2014/07/10 12:31]
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