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「わかっていても実行できない」という問題を解決する3つのポイント  はてなブックマーク - 「わかっていても実行できない」という問題を解決する3つのポイント

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「あいつは何であんなに仕事が遅いんだ」

そんな部下や同僚がいるという方。

もしかしたらその原因は、あなたにあるかもしれませんよ?


本『なぜ、わかっていても実行できないのか 知識を行動に変えるマネジメント 』は、「行動できない」問題について社員の質ではなく、組織のマネジメントシステムに問題があることを指摘した興味深い本。

組織行動論の世界的権威である2人の著者が、4年間にわたる調査から、「どうすれば行動を起こせるか」という課題に明快なガイドラインを示しています。


今日は本書から、「なかなか実行できない」問題を解決する3つのポイントを紹介します。





1. 恐怖政治を追放する

社内に恐怖心があると、あらゆる問題の火種になる。コンチネンタル航空のCOO、グレッグ・ブレネマンはいった。「プレッシャーや恐怖心があると、思いが けない過ちをしたり、無分別な行動に走ったりする」。職歴に傷がつくとしたら、だれも新しいことを試みたりしない。失敗は学習のチャンスと考え、失敗も罰 しないという文化がなければ、アイデアをすぐ形にして、その効果を試したり、経験を重ねて改良を加えたりできない。

P.259

恐怖があると、上司に悪い報告をしなくなるのも大きな問題です。

火が小さなうちに上司が消せたら良かったものを、大きくなってからでは手に負えなくなります。

組織から恐怖心と怠惰を追放する方法

  • 上司は悪い知らせを伝えた人をほめ、見返りを与え、昇進させる。
  • 行動しないことだけが、本当に深刻な失敗である。行動して成功しなかったことではなく、行動しなかったことを罰するべきだ。

(続く)

P.139


2. 社内で競争するのではなく、社外と競争する

社内競争を克服する方法
(中略)

  • 内部で闘争心を燃やすのではなく、外部の競争相手に向けて、人々の関心やエネルギーを集中させる。
  • 内部に競争を起こすような給与体系や評価システムはやめる。
  • 協力を評価する方法を開発する。
P.214
グラフを貼りだして社員同士の競争をあおることや、一時的な結果に報奨金を与えることには問題があるといいます。

一見、社員のモチベーションにつながるようにも思えますが、社内での競争は誰かが勝ったら誰かが負けるという争いになりがちで。

その結果、他者に勝つために
  • 情報を隠す
  • 相手を蹴落とす
というようなことをするようになり、それは会社にとって利益になりません。


一方、社外に競争相手をつくると、社内に団結の空気が生まれます。

AppleがかつてIBM、Windowsを敵としたように、社内ではなく市場での競争に目を向けることが重要というわけです。


3. 評価基準と事業戦略を一致させる

評価を通じて人は何に注目し、何を無視していいかを知る。その結果、評価されることには熱心に取り組み、それ以外はいいかげんでよい、と考えるようになる。評価が大事であることは、だれでも承知している。評価は人の行動に大きな影響力をもつ。たとえ報奨をともなわなくても、やはり評価はおおいに気になるものである。
(中略)
経営のトップが事業戦略として重視することを評価の対象にすれば、従業員の努力はそれに集中するはずである。したがって、経営方針や事業戦略、企業文化など、長期的に企業の業績に繋がる要素が、評価される項目になる。

P.147
たとえば、新事業をどんどん生み出していきたいのに、失敗を罰するような評価システムがあったら、誰も新しいことに挑戦しません。

ガリガリ君の赤城乳業は新製品をどんどん生み出すために、挑戦に伴う失敗を、通常の人事考課とは切り離して処理する仕組みが確立されているそうです。

「ガリガリ君」の赤城乳業の強さの秘密 〜本『言える化 ー「ガリガリ君」の赤城乳業が躍進する秘密 』


また、社としてスピード感を重視したいのに、細かいミスをいちいち罰するような評価制度では、素早い行動・決断は難しくなるでしょう。

ヤフーやFacebookもこのことを意識しているようです。

安定しすぎたヤフーをあえて改革、たった1年で2ケタ増益・時価総額2倍にした【意外】な方法 〜本『爆速経営 新生ヤフーの500日』


まとめ

本書には他にもいくつも重要なポイントが書かれています。

それぞれについて、成功例・失敗例が豊富に紹介されており、分かりやすい。


たとえばMicrosoftは、ボーナスをチームや部門に関係なく相対評価で配分しているそう。

これでは、同僚を助ければ自分の仕事時間もボーナスも減らすことになってしまうので、社内に助け合いは生まれません。


本書から見えるのは、「助け合う組織を作るべき」という当たり前のことでした。

そのために集まっているはずなのに、おかしなことになっていませんか?


経営者やリーダー、将来リーダーになる方に読んでいただきたい一冊です。

Facebookページには、本書をマインドマップにまとめたものを掲載しています。




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