『奇跡の職場』に学ぶ!どんな仕事でもチームのやる気を高める4つの方法

「新幹線お掃除の天使たち」を知っていますか?
やる気に満ちあふれた表情・おしゃれな制服でホームに整列、お辞儀した後、たった7分で1人100席を掃除するおもてなし集団です。
掃除の枠を超え、ホームでお客様への声掛けや道案内なども行います。
海外メディア・鉄道会社からも注目され、なんとミュージカルにもなっているのです。
『奇跡の職場 新幹線清掃チームの働く誇り 』はその会社TESSEIの「おもてなし創造部長」が書いた本。
著者は2005年、新幹線清掃の会社・鉄道整備株式会社(現JR東日本テクノハートTESSEI)取締役に就任。
当時は従業員の定着率も低く、事故やクレームも多かったのだとか。
「きつい・汚い・危険」な「3K職場」なお掃除会社で、どのようにして従業員のやる気をおこし、世界一のおもてなし集団に変えたのか?
今日は本書から、どんな仕事でもチームのやる気を高める4つの方法を紹介します。
1. リーダーが使命を与える
私が入社したとき、テッセイはあまり評判のよくない会社となってしまっていました。その原因はいろいろあったと思いますが、会社として清掃という日常の 「仕事(タスク)」を追い求めるあまり、みんなの気持ちを高揚させ、生き生きと働く原動力ともなる「使命(ミッション)」を見失ってしまったからではな かったでしょうか?
このときのテッセイに求められていたのは、使命を与えるリーダーでした。P.123
具体的には、以下のようなことを繰り返し伝えることで、使命を認識させたのだそうです。
自分たちの仕事は清掃だけではない。お客様に気持ちよく新幹線をご利用いただき、かけがえのない旅の思い出をつくっていただくことなのだ
P.32
「面倒で汚い掃除」と考えるか、「旅の思い出づくりのお手伝い」「新幹線のメンテナンス」と考えるか。みんなの仕事は清掃業ではなく、もともとサービス業なんだ
(中略)
みなさんがお掃除をしないと新幹線は動けないのです。
だから、みなさんは、お掃除のおばちゃん、おじちゃんじゃない。世界最高の技術を誇るJR東日本の新幹線のメンテナンスを、清掃という面から支える技術者なんだP.55
ずいぶん印象が違いますね。
実際に行う仕事について、「なぜそれをするのか」と考えると、使命感が生まれるでしょう。
ナポレオンに近いかもしれません。
2. 褒め合う仕組みを作る
テッセイでは、「褒め合う仕組み」をつくっています。数字ではかれる営業成績などのない職場でも、目立たないが地道にコツコツがんばる人を評価するのは良いですね。30人のエンジェルリポーターが、地道にコツコツがんばる人をどんどんリポートしていきました。どんながんばりを評価するか、その基準はリポーターに任せられています。
(中略)
リポートされる人々を可能な限り表彰する仕組みとしたことになります。さらにほめられた人だけではなく、「よくほめてくれた人を表彰」する制度もつくったのです。
(中略)
「ほめるということは、言い換えると1人ひとりの努力の成果をきちんと把握し、それを的確に評価することではないのか。それはマネジャーの根本的な役割であると思う。そうしたことをいい加減に考えないほうがいいと思う」。P.90
誰だって褒められれれば嬉しいもの。
報酬は「お金」が一番うれしいかもしれませんが、「褒められる」ことだって報酬になりうるのです。
3. 現場から提案させ、NOと言わない
テッセイでは、現場の声を吸い上げ、どんどん活かしていました。「リーダーとして責任を与え、自分の考えを発揮させると、どんどんどんどん伸びてくれる」と書きましたが、人は上から一方的に「やれ」と命令されるよりも、自分で考えて取り組んだほうが充実感を意識することができるのではないでしょうか?
P.188
たとえば、夏はアロハシャツや浴衣を着たり、駅構内のトイレ隣にベビー休憩室を作ったり。
すべて、現場からのアイデアなのです。
「決められた仕事(清掃)さえすればいい」という考えとはかけ離れていますね。
それは「かけがえのない旅の思い出をつくっていただく」という使命があるからであり、自分たちが提案したものだからやる気も違うのでしょう。
そしてその提案に「NO」と言わないようにしているそうです。
頭ごなしに否定されれば、もう提案する気がなくなるかもしれません。特に意識したのは、スタッフの提言や提案に対して「NOと言わない」ことでした。
(中略)
重要なのは、そんなときにどうすべきかです。そこで「そんな無茶なこと、できるわけがないだろう」と頭から否定してしまったのでは、何も生み出せません。本人はよかれと思って発言したわけですから、否定されたことでモチベーションも低くなってしまう可能性があります。
そうではなく、「なるほど、おもしろいな。できるかどうか約束はできないが、どうしたら実現するか一緒に考えていこう」と反応すれば、そこには前向きな空気が生まれます。ある程度考えて行動してみたうえで困難だとわかった場合は、会社として代替案を提示すればいいのです。P.125
ただ聞いてもらえるだけでも、かなり印象は違うのではないでしょうか。
4. 出る杭に任せる
安全のための声かけ運動について「そんなの意味がない」と、なかなか言うことを聞かない人がいたそうです。そこで、その人にその運動のサブリーダーを任せたのだとか。
リーダーは「あんな人にサブリーダーが務まるはずがない」と反対しましたが、任せた結果、率先して仕事に取り組むようになったそうです。
本書のこのページの見出しは「出る杭は、叩かずに育てる」。以前のその人がなぜ協調しなかったのかを考えてみればすぐにわかります。別にふてくされていたわけでも反抗したかったわけでもなく、その人は確固たる「自分の考え方」を持っていたからこそなじめなかったのです。だから、そういう人には責任を持たせてみればいい。「やれ」と言われたことには反感を示すかもしれないけれども、自分でやらせると生き生きするわけです。
逆に、なんでもハイハイと言うことを聞く「素直な子」のほうが、伸びに限界があるかもしれません。P.190
この例から考えれば、「出る杭に任せる」と良い、と言えるかもしれません。
まとめ
「メンバーのやる気がないのはメンバーのせいではなく、リーダーや会社のせいでは?」と思えてきませんか?メンバーが誇りを持って働ける環境をつくりたいですね。
著者の現在の肩書きは「おもてなし創造部長」。その仕事は「従業員のおもてなし」だと言っています。
おもてなしを受けた現場の従業員が、お客様に本物のおもてなしをしてくれるからです。
P.144
メンバーのモチベーションを上げ、生き生きとした職場にし、結果を出したいリーダーに読んでいただきたい一冊です。
あなたはどう思いますか?
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- [2014/01/10 06:00]
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