あなたの敵とは何なのか?人生修業のすすめ  はてなブックマーク - あなたの敵とは何なのか?人生修業のすすめ

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人生は修業の場だ。

なんていうとなんだか汗くさいですが、修業とは学びの一つのあり方

修業論』は、著者・内田樹さんによる本。

長年稽古をつづけている合気道の修業を通じて開発されるべき能力「生き延びるための力」をつけるための修業のすすめです。

「合気道をやれ」ということではなくて(笑)、生き方・学び方についてとても勉強になります。


今日は本書から、内田樹さんに学ぶ「人生修業のすすめ」を紹介します。





1. 修業の意味は、事後的・回顧的にしかわからない

師匠は「いいから黙ってやれ」と言うだけです。(中略)処罰も報酬もなし。批評も査定も格付けもなし。それが修業です。
(中略)
この仕組みは、「努力とは一種の商取引である」と信じている人には、なかなか理解できません。
彼らはこう考えます。努力させる以上は、努力した後に手に入るものを、あらかじめ一覧的に開示しておいて欲しい。そうすれば、努力するインセンティブになるから、と。
でも、これは大いなる勘違いです。
(中略)
修業というのは、そういうものではありません。修行して獲得されるものというのは、修業を始める前には「意味不明」のものだからです。

P.7
「何が得られるか」を事前に把握できているからこそ、努力する気になる。

そういうことがほとんどではないでしょうか。

しかし武道では「肩甲骨を開く」「骨盤を倒す」など、修行して「できた」後になって初めて、「何をしたか」が分かるのだとか。


やって、できて、初めて分かる。

そういう学びも大切ですね。

逆に目的思考では、学びを限定してしまう危険がありそうです。


2. 敵=対戦相手ではない

広義で言えば、「敵」とは「私の心身のパフォーマンスを低下させる要素」である。その場合には、「無敵」とは「私の心身のパフォーマンスを低下させる要素」を最小化(できれば無化)することを意味することになる。
(中略)
「敵」は同じルールで戦う「対戦相手」には限定されない。「伝染病のウイルス」や「臓器の不全」や「心的ストレス」や「加齢」や「天変地異」など、無数のファクターによってアスリートのパフォーマンスは低下する可能性がある。
(中略)
どう考えても、敵を広義にとらえる人間の方が、敵を対戦相手のみに限定する人間よりは、生き延びる確率が高い

P.38
言われてみればそうなのですが、「自分以外の誰か・何か」を敵と考えてしまうことが多くありませんか?


3. 「敵を作らない」考え方

「敵を作らない」とは、自分がどのような状態にあろうとも、それを「敵による否定的な干渉の結果」としてはとらえないということである。自分の現状を因果の語法では語らないということである。
(中略)
相手が私に向かって斬りつけてくる。それを避けなければいけない。そういう状況を想定する。このとき、私が選択できる動線は間違いなく限定される(予想される刃筋の下には身を置けない)。
だが、これを「自分には無限の選択肢があったのだが、攻撃入力があったせいで、選択肢が限定された」というふうに考えてはならない。それは「敵を作る」論理である。そういう論理を採択しない。
そうではなくて、「無限の選択肢」などというものは、はじめからなかったと考える。とりあえず今、私が選択することを許されている限定された動線と、許された可動域こそが現実のすべてであると考える。それが「敵を作らない」ということである。

P.42

因果論的な思考が「敵」を作り出すのである。
自分の不調を、何らかの原因の介在によって「あるべき、標準的な、理想的な私」から逸脱した状態として理解する構えそのものが敵を作り出すのである。
純粋状態の、ベスト・コンディションの「私」がもともと存在していて、それが「敵」の侵入や関与や妨害によって機能不全に陥っているから、敵を特定し、排除しさえすれば原初の清浄と健全さが回復される。そういう考え方をする人にとっては、すれ違う人も、触れるものも、すべてが潜在的には敵となる。

P.41

風邪を引いたら、「生まれてからずっと風邪を引いていた」かのようにふるまい、雷撃に打たれたら「生まれてからずっと雷撃に打たれ続けてきた」かのようにふるまい、子どもを亡くしたら「生まれてからずっと子どもに死なれ続けてきた人」であるかのようにふるまうことができる。そのような心身のモードの切替ができる人にとってはじめて、天下は無敵である。

P.41
そんなふうにはなかなか思えないので「無敵」な人はあまりいません。

が、その「無敵」に近づこうとすることこそ、修業なのですね。


まとめ

ここでは3つのポイントだけにしましたが、本当はこれくらいではまとめられない深い話です。
  • 瞑想について
  • 相手と同化する
  • 坂本龍馬の修業について
など興味深い内容です。


すべてに納得するかは別として、こうした「自分にはなかった考え」に触れるのはとても楽しい。




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