折れない心がほしい!勝利も挫折も味わった「走る哲学者」為末大に学ぶ5つの『負けを活かす技術』

為末大さんといえば、2001年世界陸上エドモントン大会・2005年世界陸上ヘルシンキ大会の男子400mハードルにおいて、ニ大会で銅メダルを獲得する快挙を達成。
現在は競技を引退されていますが、ツイッターや書籍での言葉がよく話題になっています。
2013/4/19発売の本『負けを生かす技術 』の冒頭、為末さんはこうおっしゃっています。
私たちも様々な場面で「負け」を経験しますが、私たちよりもたくさんの「勝負」をしている為末さんだからこそ、「負け」との付き合い方も深く考えてきたようです。多くのアスリートが多くの負けを経験している。(中略)
勝ちや成功の裏側には、多くの負けや失敗が潜んでいるのだ。もっと言えば、多くの負けや失敗とうまく付き合うことで、勝ちや成功を手に入れてきたとも言える。P.1
今日は本書から、「負け」との付き合い方について5つ紹介します。
1. 勝利条件を自分で決める
野球では「勝率」「打率」という考え方があります。本当に強い人というのは、「世の中はこういうものさしで動いているけれど、自分の勝負はここだ」と自分で決められる人だ。それを決断できるのが強さだと思うのだ。自分自身がゴールだという基準点があり、そこに向かっていけるのが、強さである。
P.47
しかし陸上の場合、 勝率は関係ないと著者はいいます。
1度の勝負で一喜一憂しすぎず、目的をしっかり定める、ということですね。カール・ルイスではないが、歴史に名を残している人は、実は勝率で残っているわけではない。だから、最初に世界大会で勝てば、僕は日本の陸上の世界でチャンピオンになれると思った。世界大会での陸上のメダリストは、当時いなかったからである。
そして、それ以外はぜんぶ捨てる、というコンセプトを僕は設定した。そうすると、世界大会以外の勝ち負けはまったく関係がない。負けてもいいから、最後に世界でメダルを獲るという帳尻が合っていればいい、と考えたのだ。P.52
2. 何が失敗かは分からないもの
逆に言えば、失敗と思えたことを後に生かすことを考えるのも大切ですよね。今振り返ってみると、あのシドニーの転倒がなかったら、僕は後のエドモントン、ヘルシンキの2つの世界陸上で、銅メダルを獲ることはできなかったと断言できる。悪天候のときに何が起こるか、若いアスリートの特徴は何か、どんなときに精神は乱れるのか…。
選手心理や環境が悪いときの状況を把握できるようになった。
(中略)
シドニーはたしかに失敗だった。しかし、あれは本当の意味で失敗だったのか、と僕は後に問い続けることになる。
何が失敗で、何が成功なのか、実は長い人生においては、わからないのではないか、と。P.20
有名な話ですが、3Mの「ポストイット」(付箋紙)は、接着剤の開発中に中途半端なもの(失敗作)ができてしまったが、それを生かすことを考えて発明されました。
接着力が弱いものができてしまい「これは失敗」と決めつけていたら、ポストイットはこの世に生まれていないわけですね。

3. 嫌われることを恐れて、自分を捨てるな
為末さんは、「足が速い人間がハードルも速い」というコンセプトでトレーニングを組み立てていたそうです。世の中の人はこちらがいいと言い、自分はそうでないほうがいい、と2つあるとすると、後者を選択したときには失敗したときのリスクがとても大きい。
自分の意見を選んだ場合、世の中からいろいろ言われてしまうことになるからだ。
(中略)
しかし、往々にしてまわりの意見が正しいとは限らないのが、人生の難しいところである。P.86
ところが周囲からの反対が多かった。
それでも覚悟して自分の考えを貫いたところ、いい結果が出なかったそうです。
結果的には周りの意見を聞いておいたほうが良かったということになるかもしれませんが、いつもそうとは限らないのが難しいところ。
そして、ときにこうして自分の意見を貫いたほうが、あとで後悔がないかもしれません。
4. 手段を気にするな、大きな絵を見よ
たとえば、TVでも有名な教育評論家・尾木ママは、「子ども・青少年に関わる課題を解決する」という大きな絵を見ているのではないでしょうか。職業だけを見ている人はぶれてしまう、ということである。重要なことは、その職業を通じて、どんな社会を作りたいのか、ということだ。言葉を換えれば、志や大きな目標、と言ってもいいと思う。先にも書いたように、職業は手段なのだ。
(中略)
そして大きな目標や志があれば、やりたくないことをやる意味も見えてくる。人生は、やりたいことだけをやっていればいいわけではないことにも気づける。P.131
以前は中学校教師として子どもと直接かかわってきましたが、今は教育評論家としての講演活動などで「親」を教育しているように見えます。
同じ課題(大きな絵)を見ていれば、職業は問題ではなさそうです。
会社で部署の異動があったとき、あるいは転職を考えるとき、描きたい「大きな絵」は何なのか、自問すると良いでしょう。
5. 答えがひとつであるはずがない
こう言われると「当たり前」に思えるかもしれませんが、ひとつにこだわってしまうことがありませんか?アスリートとして世界一に挑んできて、わかったことがある。それは、世界一へは何通りも道がある、ということである。もっと端的に言ってしまえば、世界一になるための方法や答えは、ひとつではない、ということだ。
P.144
「絶対に自分の意見が正しい!」と思ってしまうとき。
「もうダメだ…」と何かをあきらめそうなとき。
人とは違う道、いままでになかった道があるかもしれませんよね。
まとめ
為末さんはハードル競技の選手だったわけですが、まさに「人生のハードル」も乗り越える達人なのかもしれません。そこには「強さ」を感じますが、それは「耐える」「我慢する」というような強さではなく、自分なりの「軸」を持つ強さ、だと本書から読み取ることができます。
負けない人はいません。
負けを生かせるかどうかが、本当の勝負ですね。
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今日のひとこと
2013年も半年が過ぎた今、「目標」について考える良いタイミングかもですね。私は参加できませんが、振り返りと残り半年の計画を立てよう。 それにしても講師三人でこの参加費は安いな…。/ 【イベント】あなたは何故目標達成できないの!http://t.co/0hJkBQajXu
— コウスケ@Ko's Style (@kosstyle) July 3, 2013
- [2013/07/03 22:17]
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コメント
走る哲学者 為末さんとお坊さんの『生きるってなんだろう?』ということについての対談です。
ぜひご一読を!
Re: タイトルなし
面白そうですね。読んでみます!
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