自己啓発に600万円つぎ込んで気づいた5つのこと 〜本『「自己啓発」は私を啓発しない 』

私ではありません(笑)。
本『「自己啓発」は私を啓発しない 』の著者は、自己啓発セミナーや教材に、600万円以上つぎ込んだそうです。
そこまでハマった経緯や、どんなワナがあったのか、しかしそこから得たことなどが本書には書かれています。
かなりリアルな内容で、「あるある!」と思ってしまう方や、「そんな世界があるのか!」と思ってしまう方など、いずれにしても面白く読める内容です。
今日は本書から、著者が自己啓発に600万円つぎ込んで気づいた5つのことを紹介します。
1. 人が寄ってきたくなる自分をつくる
異業種交流会で何度か痛い目にあった私が行き着いた結論としては、「人脈をつくるためには、自分からつくろうとしても無駄だ」ということです。考えるべきことは、人が寄ってきたくなる自分をつくることだと思うのです。
P.112
相手に得をさせるとは、具体的に言えば、個人的には、自分から人脈をつくろうとすることが「無駄」とまでは思いませんが、著者の言うように「この人と仲良くしたい!」と思ってもらえる価値や魅力を身につけることは重要ですよね。
- 笑える話をしてあげる
- 困っていることを解決してあげる
- 感動するくらい、すごい特技を披露する
などです。そうすればいろいろな人が寄ってきて、結果的には人脈ができています。
P.114
みんなに好かれる、鶴瓶さんが参考になるかもしれません。
2. 人は結果・実績で評価される
著者が本を出版したとたん、周りからの評価が変わったそうです。ただ、逆に言えば、自分をアピールするなら結果や実績を伝えろ、とも言えるかもしれません。人というものは基本的には「人」を見ておらず、「つくりあげてきた結果」でしか他人を評価していないんだな、ということがよくわかりました。
相手の性格や能力を知ってから「この人はデキル」「この人はデキナイ」と判断をするのはとても時間がかかるので、相手の実績を聞いて「何かすごい結果を出していればすごい人」だということにしたほうが、簡単に判断をくだせるのでしょう。
(中略)
大事なのは、ほめられてもおごらず、けなされても気にせず、自分がやるべきことを淡々とやっていくことだと思います。P.177
就職面接で、自分はこんな素晴らしい性格なんです、とアピールするよりも、こんな実績があります、と言ったほうが伝わるでしょう。
自分を大きく見せろ、ということではなく、実績をつくることが大事だということです。
3. 答えは1つではない
だから、セミナーや自己啓発書が言っていることがかならず自分にとって正しいとは限らない、というのが著者の主張です。学校とは違い、答えはひとつではありません。「人生」や「ビジネス」での答えは、無限といっていいほどたくさんあります。
P.210
私も同感です。
自己啓発セミナーや本に限らず、たとえばことわざでも、正反対のことを言っているものがよくありますよね。
たとえば、「渡る世間に鬼はなし」⇔「人を見たら泥棒と思え」など。
物事には色んな見方がありますし、人それぞれの性格や環境などが違うわけで、誰でも必ずうまくいく方法、というのがあるとは限りません。
何でも鵜呑みするのではなく、「そういう考えもあるのか」と冷静に考えるのが良いのではないでしょうか。
視野を広く、様々な視点で物事を見ることが大事ではないでしょうか。
4. 主体性を持つ
先の3にもつながります。セミナーで教えている内容は、「正しいか?間違っているか?」ではなく、「自分に合っているか?合っていないか?」という視点で聞かないといけないのです。
(中略)
習ったことを、「そのまま使おう!」と思うのではなく、それを元に自分に合った形に自分で作りかえる必要があります。
(中略)
勉強会でもセミナーでも、「教えてもらおう」と受動的に講義を聞きに行ってはダメで、「学び取ってやろう!」という主体性が必要なのです。P.209
せっかく得たことを生かさなければ意味が無いわけですが、そのまま真似すればうまくいくとは限りません。
「自分ならどう使うか」「自分の環境ではどう生かせるか」など考えることが必要ですよね。
5. 「自分は理解してるのに会社の人はわかってない」とうぬぼれない
そうやってセミナーや勉強会の居心地が良くなり、ハマっていくわけですね。セミナーは、先ほどお話したとおり、いい人が多く集まるコミュニティです。
(中略)
セミナーでは、「笑顔にしているといい」「ほめるといい」とたくさんの人間関係で大事なことを教えてくれます。これらを知れば知るほど、「確かにそうだな」と反省し、実践するように心がけます。ここまではいいのですが、次からが問題です。
ヘタにコミュニケーションのテクニックを知ってしまう と、それを実践してくれていない上司や身内など、身の回りの人に「何でこの人はやらないんだ!」と不満やストレスをためて、「自分は正しく、相手が悪い」 となってしまい、先ほど言ったように間違えたエリート意識を持ってしまうのです。P.202
別にそれが悪いこととは思いませんが、それ以外の場所(仕事など)で活かせなければ、投資した価値があったのかあやしいでしょう。
また、居心地の良い場所は、成長につながらないものです。
成長したくてセミナーや勉強会へ行っているはずが、慣れて居心地がよくなっているとしたら注意が必要。
個人的には、事前に「目的意識」を強く持って書き出しておくことが大切だと考えています。
目的(疑問や解決したいこと)の答えを探しに参加すれば、必ずなにか得られるはずです。
まとめ

本書は、「自己啓発に600万円以上つぎこんだ!」という著者が、自己啓発セミナーのワナや、どのようにハマっていったかなど書かれており、学びというより読み物として面白いです。
ただそうは言っても、結果的に著者はそれらのセミナーで学びを得て、そこで出版のチャンスをつかみ、自身もセミナーを開催しているわけです(笑)。
結局、犯罪や倫理的にどうかと思えることは別として、それ以外のことについては自己啓発が良いか悪いかは自分次第、という気がします。
「投資を回収する」という意識がどれだけあるか、と言っても良いかもしれません。
5000円のセミナーへ行くなら、そこへ行ったことで5000円以上の価値を生み出せるか、と考えるわけです。
著者はこの本が売れて印税で600万円を回収できれば、様々な自己啓発セミナーにつぎ込んだお金もムダではなかったと言えるでしょう(笑)。
お金以外にも、得たものはあったはずだと思いますが。
あなたはどう思いますか?
またこのブログを見ても良いと思いますか?
次はどのレビューを読みますか?




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今日のひとこと
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— コウスケ@Ko's Styleさん (@kosstyle) 2013年5月5日
- [2013/05/09 20:56]
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コメント
「人が寄ってくる」というのは、昔のRPGゲーム「ソーサリアン」的に言うと「カルマを高める」こうなるでしょう。
RPGというと戦闘力を高めるとか、防御力を高めるとかを連想しがちですが、ソーサリアンでは対人関係の指標となる、「カルマ」が重要な意味を持ちます。
たとえば、カルマの低いキャラが街のお店に行くと、店主がぞんざいな扱いをしたり、睨みつけたりしますが、逆にカルマが高いキャラだと、物腰低く丁寧な応対をしてくれたりします。
あと、「答えは一つではない」と「主体性を持つ」この二つは「禅」で実現できると思います。
つまり、禅の公案には明確な回答がありません。
一つの例として「犬の仏性が有るか無いか」というものがありますが、これを聞かれた和尚は、ある時は「有る」といいまた別の時は「無い」という。
これをどう解釈するかを問われます。
それで、「有る」と「無い」との間には、無数の答があることを学んでいくわけです。
また、「他人に有るか無いかを決めてもらうのではなく、自分で主体的に決めなさい」こういう意味にも取れますし。
素晴らしいコメントありがとうございます
勉強になります。
コメントそのまま、1記事になりそうです!
ソーサリアン、名前は知ってるのですがやったことないかもです。
「カルマを高める」というのがあるんですね!
ゲームだけど、それは深い。
禅についても詳しく教えていただきありがとうございます!
2chcopipe.com/archives/51836579.html
Windowsの標準機能をハッキングと決めつける上司の話。
じぶんが自惚れているのか、それとも「相手が極端にアホなのか」の見極めはきちんとすべき、というのは留意したいところですね。
極度にレベルが低い方に合わせることに苦痛を感じるなら、上の話の例のように、すんなりと転職するのが正しい判断だと思われます。
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