読売新聞の大人気コラム『編集手帳』執筆の名文家に学ぶ、5つのブログ術

以前、こんな挑戦をしました。
やってみると分かるのですが、想像以上に難しい。
まだ3,000字書くほうがマシです。
読売新聞の大人気コラム「編集手帳」を知っていますか?
こちらは、458文字。
ツイッターの3倍以上ですが、この中に興味をひく話題、ニュースなどの話題、自分の主張、そしてオチまで入れるのは至難の業でしょう。
出版界にもファンの多いこの名コラム「編集手帳」の筆者が、名文の生まれる舞台裏を初公開したのが、本『「編集手帳」の文章術』。
あなたの文章を1つ上のレベルに持って行きたいのなら、必読書です。
今日は本書から、読売新聞の大人気コラム『編集手帳』執筆の名文家に学ぶ5つのブログ術を紹介します。
1. 接続詞に頼り過ぎない
接続詞がなくても意外と問題のないことが多くあります。フランスにジョルジュ・クレマンソーという政治家がいました。第一次大戦の頃に首相を務めた人で、新聞人でもありました。(中略)
新人記者からジャーナリストの心得を問われ、答えたそうです。「書くということは、なんでもない。短い句で書くのだ。動詞が一つ、主格が一つさ。それからね…それから、もし形容詞が一つ欲しかったら、おれのところへ聞きに来い」
この用心さは相当なものです。(中略)
クレマンソーが形容詞に警戒したように、私は接続詞を警戒しています。なかでも逆説の接続詞、「だが」と「しかし」には常時監視を怠っていません。P.15
なくて済むように書くという手もあります。
いずれにしても、短くするためという目的だけでなく、接続詞がないほうが味が出る場合もあると本書でわかりました。
その詳細は本書を読んでいただくとして(これには感動しました)、まずは「この接続詞、削れないか?」と自問するようにすると良さそうです。
2. 大声で語らない
これは「言う人」「聞く人」による気もしますが、確かにそういうこともありそうです。誰かが行きつけの焼き鳥屋を教えてくれたとします。「あの店のナンコツはちょっといけるよ」。ほほう、立ち寄ってみようかな。心が動きます。「あの店のナ ンコツは絶品だよ。まず、東京一だね」と教えられたらどうでしょう?ホントかね。味覚は人さまざまなのに、どうしておれの口に合うと分かる?そんなにうまい店なら、俺の耳にも聞こえているはずだがな…等々、反発心が頭をもたげます。「ちょっといける」式に控えめに言い表して効果を上げる。言葉を節約した修辞法「節言法」というそうです。
P.18
そういえば、iPhoneアプリのレビューでやたら「神アプリ!!!」と見かけるので、私は逆に信用していません(笑)。
それに反発する気持ちで一度だけ、あえて「神アプリ」と言ってみたことがあります。
これともう一つ『TouchRetouch』以外に、ここまでビックリしたアプリには出会うことができていません。
ブログにおいて、タイトルで目を引くことは重要ですが、大げさに言い過ぎてると逆に信用してもらえなくなりそうです。
3. 「変換」を怠らない
一番は「どうしたら一番伝わるか」だと思うのですが、さらに1つレベルを上げるにもこの「変換」は重要ですね。言葉選びには気を使います。「考えすぎ」を「思い過ごし」と言い換えて、効果を比べてみる。「ミス」を「失策」ー「落ち度」ー「手抜かり」と順番に言い換えて、文脈にふさわしい言葉を選ぶ。「すべての雲が…」を「雲という雲が…」と言い換えて、調べの違いを確かめる。ほんの一例にすぎませんが、いまでは日課となった作業です。
P.37
私はボキャブラリーが多くないと自覚しているため、このアプリで「変換」を頻繁に行います。

リリース日: 2010/04/19
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特に、同じ言葉を二度繰り返してしまったとき、他に言い換えられないかと調べることが多いです。
もっと頻繁に使うのは、大辞林。
読書中にも、ブログを書くときにも大活躍です。
ブロガーならこの2つ(少なくとも大辞林)は、必須かもしれません。
あなたは、言葉にこだわってブログを書いていますか?
4. 「引用」をストックし、使いこなす
本書の著者は「引用の達人」。『編集手帳』を読むと、「よくこんなこと知ってるな」と驚かされるのです。
またそのおかげで主張が分かりやすくなったり、文章に味が出たりしています。
たとえば上記1に引用した、ジョルジュ・クレマンソーの話もそうですね。
著者は読んだ本などから膨大な引用文を蓄積しているそうです。その手法が本書に書かれていますが、完全にアナログ。
私の場合は、Evernoteやこのブログ自体がそれにあたります。
なにかの記事を書いているときに、ふとそれに関連する文章を思い出し、検索すればすぐに出てきて便利です。
気をつけたいのは、本書で引用の下手な例として挙げられている、誰もが知るような「ことわざ」や「格言」を使うこと。
安直だからです。誰でもできるからです。ことわざ辞典が手もとに一冊あれば、自分の主張に添ってコラムもどきの文章が一丁上がり、となります。格言やことわざが使われていたら出来の悪いコラムだと見当をつけて、まず外れはありません。
P.180
5. 音読しても呼吸が乱れないか確認
実際にブログ記事を書いてから音読してみると、ミスに気づくことが多くあります。耳は文章の不良品センター
(中略)
私はいわゆる名文というものを「声に出して読んでも呼吸が乱れない、すなわち耳で書かれた文章のこと」と解釈しています。P.110
逆にそれをせずに公開すると、かなりの確率で後からタイポが見つかったり。
そういうミスのチェックだけでなく、より分かりやすく、より読みやすく、と追求するなら、やはり音読はオススメです。
まとめ

本書『「編集手帳」の文章術』を読むとよく分かるのは、ユーモアと引用を駆使すること、ありがちな表現やムダを排除することの大切さ。
著者はプロですから、人と同じ文章を書いていては仕事にならないのです。
そのために、こんなふうに考えているのだとか。
プロのコラム書きも、第一感は捨てるのが普通です。
P.22
もちろんブログの場合は、速報性も重要なので、表現にこだわり過ぎるよりさっさと更新してしまったほうが良い・あとで書きなおすことだってできる、そう考えた方が良い場合もあります。
それでも、こうして考えてみる習慣をつけなければ、文章は上達しないのではないでしょうか。
私が本書から学んで一番役立ったことは、ここでは紹介していません(ゴメンナサイ)。
ここで紹介した他にも、
- 文章十戎
- 「出入り禁止」の言葉たち
- 書き出しの3原則
- 引用成功の3条件
読みながら、何度唸ってしまったかわかりません(心の中で)。
図書館で借りて読んだ直後、すぐに買ってしまった一冊。ぜひ読んでみてください。
…私が挫折したツイッター書評を誰かが試してくれることを、楽しみにしています(笑)。
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今日のひとこと
禅。 instagram.com/p/Yo0VukSy8U/
— コウスケ@Ko's Styleさん (@kosstyle) 2013年4月28日
- [2013/06/05 20:30]
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