明治維新と現代に共通のサバイバル戦略!本『「超」入門 学問のすすめ 』5つのポイント  はてなブックマーク - 明治維新と現代に共通のサバイバル戦略!本『「超」入門 学問のすすめ 』5つのポイント

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福沢諭吉の『学問のすすめ』といえば、以下が有名ですね。

「天は人の上に人を作らず人の下に人を作らず」

ここだけだと「人はみな平等」と解釈してしまいそうですが、福沢諭吉が言いたかったのはそうではありません

実はこのあとに「…と言われている」と続くのです。これは彼の言葉ではなく、アメリカ合衆国の独立宣言からの引用だからです。


実際には、以下のように続きます。

「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言われている__人は生まれながら貴賎上下の差別ない。けれども今広くこの人間世界を見渡すと、賢い人愚かな人貧乏な人金持ちの人身分の高い人低い人とある。その違いは何だろう?。それは甚だ明らかだ。賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとに由ってできるものなのだ。人は生まれながらにして貴賎上下の別はないけれどただ学問を勤めて物事をよく知るものは貴人となり富人となり、無学なる者は貧人となり下人となるのだ。」

つまり、「生まれながらに人には上下はないはずなのに、実際には差がつく。上にあがりたければ勉強しよう!」ということですね。


2013/3/29発売したばかりの本『「超」入門 学問のすすめ 』で著者は、いまこそ『学問のすすめ』が必要だといいます。

その理由は、以下のような点で、『学問のすすめ』が読まれた幕末の時代と現代日本は似ているからです。
  • グローバル化の波が押し寄せてきている点
    (幕末:ペリーの黒船・鎖国の終わり、現代:TPP、家電メーカーの衰退など)
      
  • 財政難・社会不安が大きくなっている点
    (幕末:腐敗政治などで財政悪化、騒乱が起こる、現代:かつてないレベルの不景気が続いている)


『学問のすすめ』原書は読みづらいので、本書では、私たち現代日本人に必要なポイントにしぼり、わかりやすく解説されています。

今日は本書から、5つのポイントについて紹介します。




1. 実生活に役立つ「実学」を学べ

「家を建てるのに、のこぎりやかなづちは必要だが、道具の名前を知っているだけでは家を建てることはできない。文字を知るだけで物事の道理を知らないものは学者と言えない。いわゆる論語読みの論語知らずであり、学問を実生活に活かせない者は、文字の問屋、飯を喰う生き字引に過ぎず、国には無用の長物、経済を妨げるただ飯喰らいである」(『学問のすすめ』第二編より抜粋)
(中略)
諭吉は、現実に役に立たない学問を捨て、自らの人生を変えるような学びを何より優先すべきだと提案しています。

P.70
なんとなく周りがやってるからとTOEICの勉強をしてみたり、有名人が言っていたから会計の勉強をする、という人がいます。

しかしそれだと、なかなか続かないことも多いのではないでしょうか。

同じ労力を使うなら、自分の実生活(仕事)に役立つことを勉強したほうが良い、ということですね。

逆に言えば、学んだことを実生活に活かさないのもNG、ということ。


個人的には、まったくやらないよりは目的があいまいでもやったほうが良いと考えます。まったくムダとは思いません。試しにやってみることで、新たな自分の興味・関心や、才能に気づくこともあるでしょうから。

しかしながら、私たちの時間は有限。

そう考えると、やれることは限られて来るのも実際のところですね。


2. 学問で新たな視点を得て、発見力を高めよ

「何事も世の中の様子は次第に進み、昨日便利なものも今日にはイライラするようなものとなり、去年の新しい工夫も今年には陳腐なものになっている。西洋諸国の発展する勢いを見ると、どんどん改良され日々進歩しないものはない。あらゆるものは知恵が発展するにつれて進歩し活発となり、その到達点の限界は予想することができない」(『学問のすすめ』第九編より抜粋)

P.82
不況下にあると、「資格」が重要と思われがちです。

しかし、新しい「資格」より新しい「視点」を得ることが重要。

私たちは、あまりに知らないことが多いのです。そして、知っているつもりが知らない、なんてことも。

「新しい視点」で世界を眺めることは、時に驚くほどの豊かさを生むきっかけとなります。
楽天を創業した三木谷氏は、日本興業銀行に入社後MBAを取得するため米国留学したことで、ビジネスマンが「当たり前に起業する」文化に触れ、日本に戻ったのち退職して楽天を立ち上げます。
iPhoneなどの世界的成功を収めたアップルの創業者スティーブ・ジョブズは、瞑想の習慣から「コンピューターは静かであるべきだ」という「新たな視点」を得て、冷却ファンのないパソコン、アップルIIを発売して市場を驚かせました。

P.84

異文化や、自分とは違う考えに触れたとき、新たな視点が得られますね。

それは心地よくないかもしれませんが、「学び」だと思えばよいのです。

「共感できないこと」に学びがある


3. 諭吉が勧める五つのスキル

勉強して「実学」を身につけるのは分かりましたが、特にどういうポイントを意識すればよいでしょうか。

福沢諭吉は以下の5つのスキルを挙げています。
  1. 読書をすること
  2. 物事を観察すること
  3. 文章を書くこと
  4. 人と議論、交渉すること
  5. 人に自分の考えを説明すること

心に留めておきたいのは「なぜ読書をするのか?」など、その目的です。
P.101

読書をし、

2012年に読んだ本300冊の中で最も影響を受けた10冊+α 


物事を観察し、

視野を広げる・視点を変えるってどうやったらいいの?を解決する『3D思考』


文章を書き、

これだけは実践したい!ブログ文章を書くときの6つの基礎 〜本『作文の技術』


人と議論、交渉し、

【交渉本その5】知らないと損する「ビジネス交渉」6つの考え方 〜本『プロフェッショナル・ネゴシエーターの頭の中』


人に自分の考えを説明すること。

これは役立つ!【仕事・子育て】『人を動かす伝え方』7つのポイント


自分が苦手だと思う分野がありますか?

それを補うべき「目的」があれば、それを学ぶと良いでしょう。


4. 「疑う力」をやしなえ

諭吉は第一五編で「事物を疑って取捨を断ずること」と題して、疑う能力の重要性を述べています。

「信じることには偽りが多く、疑うことには真理が多い。世間を見渡せば、愚かな人は人の言葉を信じ、書を信じ、噂を信じ、神仏を信じ、迷信を信じている。 (中略)人間社会にある真理の多寡を調べれば、正しいことが多いとはとても言えない。真理が少ないなら、偽りが多いことになる。つまり人は何かを信じてい るとき、多くは偽りを信じているのだ」(『学問のすすめ』第一五編)

明治維新後の変革期に、諭吉が疑うべき対象としたものには二つの分類があります。

  1. 科学、社会制度、学説などの旧説や常識
  2. 疑う能力がゼロの「開化先生」の言説や、単純な西洋文化礼賛の軽率さ
P.160
本に書かれたことや、ブログやツイッター、フェイスブック、2ちゃんねるの情報などを、鵜呑みにしてしまう人がいます。

勝手に鵜呑みにするのは良いのですが、間違った情報を他人に広めて問題になることもあります。

以前、こんなこともありました。

レンジでチンするとiPhone充電できる!・・・と言うデマが拡散し被害者続出 | キャリア | マイナビニュース

このタイトルの「続出」も信用して良いかわかりませんが。


また、時代に合わない、あるいは不要な制度やルールがいまだに残っていることに気づいていない、なんてことはありませんか?

あなたの気づいていない「おバカなルール」はありませんか?


私は「素直な人は伸びる」と思っています。

「この本いいよ」と勧められたら読んでみるとか、ある分野で自分より実力のある人の言われたことを試しに実践してみるとか、そういう素直さは大切です。


しかし、疑う視点ゼロで何でも受け入れてしまうのは、問題がありそうです。

物事の表裏を考えてから、どちらが良いのか(あるいはさらに別の視点があるのか)判断しても良いのではないでしょうか。

情報に流されない!だまされない!自分で「考える」ための5つの方法 ~本『「合理的思考」の教科書 』


5. 「人望」も必要な要素

  • 何事を成すにも、その分野で人から当てにされる人望が不可欠である
  • あなたの思いを上手く伝える「言葉の技能を学ぶべき」である
  • 表情や見た目を快活にして人から好かれ、第一印象で人に嫌われないこと
  • 交際の分野を常に新しく広げて、世間に友人知人を増やし続けること

(中略)
私たちは無数の人間が交際する世界に住むのですから、世界で多くの人と接しながら、自らの目標を達成していくことが重要になるのです。
現実社会で活用できることが前提の実学は、他者との接し方も必要な要素なのです。
P.95
仕事もお金も、人から流れてくるもの。

なにか大きなことを成し遂げるにも、人の協力が必要。

「人望」が大切なのは言うまでもありません。


この方も、もともとそういう性格なのではなく、かなり意識しているようです。

心理学者が分析!「笑福亭鶴瓶」流、人間関係がうまくいく6つの方法 


まとめ

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上記について、間違えたくないのは、本書『「超」入門 学問のすすめ 』にある以下の点。

『学問のすすめ』の革新的な点は、単純な個人の能力至上主義ではなく、個の社会的なあり方を説いていることです。
諭吉の基本的なサバイバル戦略は、単一の個人が単に自分だけ良い目を見るということではなく、個人が学問を通じて優れた社会性を身につけ集団に貢献するならば、最終的に日本という国家自体の成長と繁栄もまた成し遂げることが可能だということです。

P.16

本書で「サバイバル」という言葉を使っているため、どうも「自分の生き残りのため」という印象を持ってしまいそうですが、実際には上記のように、個の成長が、国の成長につながるという点が重要です。

そして国の成長は、個に返ってくるでしょう。


本『「自己啓発病」社会』にも「自分のためだけの自己啓発ってどうなの」というようなことが書かれています。

結局、学ぶことや自己啓発は最終的には他人(世の中)のためであり、そう考える人のもとに人もお金も集まるのではないでしょうか。

「日本のために!」というのは、政治家になったり起業家になることが全てではありません。

それぞれの持ち場でそれぞれが成長することが大切なのではないでしょうか。

そして意外と、「他人のため」のほうが、サボらず頑張れたりするものですね。


ところで、先日の読書会で本『「超」入門 学問のすすめ 』を紹介したところ、みなさん興味を持たれたようです。

【開催報告】3周年イベント ライフネット生命 出口治明社長 「ビジネスに効く読書」|名古屋で朝活!! 朝活@NGO

名古屋No.1の勉強会。オススメです。


あなたにとって、本書が「実学」として役立つと思えたら、ぜひ読んでみてください。

本書を読み、もっと『学問のすすめ』を知りたくなったら、Kindle版の原書ならゼロ円(左)、齋藤孝さんによる現代語訳(右)もオススメです。

学問のすすめ 4480064702


ちなみに、同じ著者のこの本も良かったですよ。

変化の時代だからこそ知っておきたい!日本人はなぜ失敗するのか? 〜本『「超」入門 失敗の本質』


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