人生ゲーム・リカちゃん・チョロQ・トランスフォーマー…数々のヒットを生み出したタカラ創業者の5つの考え方

今日紹介するのは、あの「人生ゲーム」など数々のヒット商品を生み出した、タカラ創業者・佐藤氏の本『人生ゲーム 人生は1マス5年で考えよう 』。私の人生は、まさに「人生ゲーム」だったと思います。なにもないところからスタートし、1マス1マス、自分の人生を進めてきました。ときには「ふりだしに戻る」というようなこともありました。
P.7
苦しかった少年時代から、小さな工場をはじめてから「おもちゃの王様」と呼ばれるまでになった経緯、そして86歳にして大学院卒業、博士号取得するなど、その人生のエピソードにぐいぐい引きこまれます。
今日は本書から、数々のヒット商品を生み出したタカラ創業者の5つの考え方を紹介します。
1. 目先の5年、いかに自分を成長させるかを考える
ビジョン、究極の目標はあったほうがいい。でも、それをはっきりと意識することは難しい。ですから、まずは目先の5年先を考えて、自分をいかに成長させていくかを考える。この5年をどんどん積み重ねていくうちに、あなたの中にあった人生の究極の目標がはっきりとしてくるはずです。
つまり、人生は人生ゲームなのです。1マス5年で、自分を成長させていく人生ゲームです。P.9
よく言われるのは、人生のミッションを持て、というもの。5年後の理想の自分と今現在の自分を比べてみると、なにが足りないのかがはっきりとわかります。学ぶ努力をする時間は5年しかないのですから、なにをすべきかも真剣に考え、行動するようになります。
P.105
人生の目標があれば、それに向かって突き進むことができます。
ただ逆に言えば、人生の目標なんて、そう簡単に見つかるものではないでしょう。
ジャパネットたかたの社長さんも、大きな目標より、まず目の前のことを必死にやりなさい、とおっしゃっています。
目の前のことを一生懸命にやる。
あるいは、5年先の理想と今とを比べてみる。
これなら、誰でもすぐにできそうです。
2. 仮説を立て、PDCAを回す
必ず聞かれるのが「ダッコちゃんのヒット要因は?」というものです。しかし、私はその質問に答えることができませんでした。なぜなら、私自身もどうしてダッコちゃんがヒットしたのか、まったくわからなかったからです。
(中略)
ヒットした原因がわからない。これでは経営者とは言えません。
(中略)
事前に仮説を立てておくことが極めて大切なのです。P.94
ダッコちゃんはその後、単なる「ブーム」で終わってしまい、せっかくのチャンスを活かせなかっただけでなく、ブームが去ったあとは従業員に給料を払えなくなり、会社としてもかなり苦労したそうです。私の経営の根本にある手法は、PDCA分析です。PDCA分析とは、「プラン、ドゥー、チェック、アクション」で、仮説を立て、実行をしてみて、分析をし、さらに洗練して再び実行するということです。これを何度も繰り返しながら、事業を進めていきます。
P.101
PDCAを回していれば、うまくいったらもっとうまくいくように、うまくいかなければ改善してもっとうまくいくように、ということができますね。
3. 常識を打ち破ることに挑戦する
リカちゃんの成功は、今から見ると不思議には思えないかもしれませんが、当時は業界の常識に対する挑戦でした。当時の玩具業界には「ヒットした翌年も続けて売れる玩具はありえない」という常識があり、これを打ち破りました。
P.122
こういう人が少ないから、逆にそれがうまくいけば大きなチャンスとなりますね。私は「常識を打ち破る」ということが大好きで、タカラが開発してきた玩具のほとんどは、それまでの業界の常識に挑戦したものです。「ボードゲームは売れない」と言われれば、「なんとか売ってやろう」という闘志が湧いてくるのです。
P.129
実は私たちの中にもそういった「非常識力」とでもいえるものがあるのに、それを押し殺して常識に合わせているところがあるかもしれません。
4. リカちゃんヒットの秘密「バックグラウンドストーリー」を応用する
リカちゃん人形が単なる可愛い人形として売られていたのなら、これだけのヒットはなかったのでしょう。変身サイボーグは、元々は片貝健一という名の青年で、アフリカで野生動物保護官をしていましたが、異星人のキングワルダーに誘拐され殺害されてしまいます。しかし、科学者であった父の手により、サイボーグとして蘇り、地球をキングワルダーから守るために立ち上がるというお話です。
このようなバックグラウンドストーリーを作る手法は、リカちゃんの応用です。
リカちゃんには、「香山リカ」という名前があり、お父さんはフランス人ハーフの音楽家、お母さんは日本人のファッションデザイナー……という女の子が憧れる少女漫画のような世界観がつけられていました。P.145
人をひきつける「ストーリー」があったのです。
これは他の分野でも応用できますね。
たとえば自社製品の開発秘話などをウェブサイトにアップしているだけでも、その商品への興味はグッと増すでしょう。
5. 成功体験をなぞるだけではダメ
よく「ライフハック」というと「効率化」というイメージがあって、「型」をつくっておけばあとはそれをくり返すだけ、それがライフハックだと思われがちです。人は、一度大きな成功体験をすると、それに縛られてしまうことがあります。成功体験なのでうから、それを金科玉条のようにして、盲目的になぞるだけでもそれなりにうまくいくかもしれません。しかし、それでは自分の成長はとまってしまいます。
(中略)
成功体験を応用することは大切ですが、疑問をもたなくなることが一番の大敵なのです。P.154
それもある分野では必要なことですが、私は「ライフハック=もっとうまくいく方法」を考え続けることが重要と感じています。
うまくいく方法を見つけたら、それを繰り返せばうまくいくと思いそうですが、実際には状況は常に変化しています。
昨日うまく行った方法が今日通用するとは限りません。
また、他人の成功体験をなぞっても、うまくいくとは限りませんよね。
ですから、
なんて思う必要はないのです。「有名ブロガーさんがみんなEvernoteが良いと言ってるけどどうも使いこなせない」
「Toodledoを使ったタスク管理が一番だと聞くけど、いまいち分からない私はダメなのかな」
まとめ

本『人生ゲーム 人生は1マス5年で考えよう 』は、とにかくまず「読み物」としてとても面白いです。
というのは、人生ゲームをはじめ、リカちゃん人形、チョロQ、トランスフォーマーなどがどのように生まれたのか知ることができるから。
そして著者の失敗も含めて飾らずに語られた人生のストーリーを読むことで、著者の人生を追体験できることはとても貴重です。
89歳となった今も人生の目標に向かって人生ゲームのコマを進めるそのエネルギーが、本書から溢れ出てくるようです。
もちろん単なる「読み物」としてだけでなく、仕事術・企画術・リーダーシップなど、とても勉強になります。
ぜひチェックしてみてください。
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男性も女性も、痩せるとなんだか若返りますね。- [2013/03/27 20:30]
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