怒らないリーダーになるための、5つの考え方 〜本『怒らない経営 銀のさらを日本一にした「すべてに感謝する」生き方』

あなたは職場で、怒られたことがありますか?
怒ったことは?
宅配寿司チェーンの「銀のさら」江見社長は、こう言います。
「怒り」は悪であり、損なことであると説き続けています。悪であり、損であるがゆえに、会社の中から、そして自らの人生から「怒り」を根絶することをみなさんにお勧めしています。
P.5
実際に怒らずに業界ナンバーワンのシェアにまで会社を成長させたことで、TV「カンブリア宮殿」などでも話題となりました。
今日は、その江見社長の本『怒らない経営 銀のさらを日本一にした「すべてに感謝する」生き方』から、怒らないで結果を出すリーダーになるための、5つの考え方を紹介します。
1. 人間に上も下もない
まるでお坊さんのような言葉ですね(笑)。人間の価値や尊厳に上も下もありません。(中略)
会社では課長だとか部長だとか立場に違いがあるのは確かですが、これは組織をつくってビジネスを進めていく上での機能でしかありません。(中略)
それなのに、です。「おまえはバカか!」とか、「こんなこともできないのか!」と、メンバーをなじり、バカにするのは人間のあり方として基本的に間違っています。P.28
しかし全くそのとおりだと思いませんか?
役職が上だということだけで、エラそうにしている人を見ると、残念に思います。
むしろ、部下と良い関係をつくっていたほうが、仕事で良い結果を出せるのではないでしょうか。
私は、サーバント・リーダーシップの考え方が日本中の企業に広まればいいな、と思っています。
2. 怒るのは損
私は怒らないように必死にガマンしているわけではありません。「怒ることはいけないこと、損をすること、弱い自分をごまかしていることだ」と気づき、そのことに確信をもってから、ただ単に怒らなくなったのです。
P.24
昔、職場で同僚が上司から怒鳴られていました。怒ることに、正義はありません。合理性は、ひとつもありません。怒ったとたん、その場はマイナスのエネルギーに取り囲まれるのです。
怒った本人 も、怒られた相手も、その瞬間から仕事の生産性が必ず落ちます。P.23
私は関係がなかったのですが、その後しばらくそれが頭から離れませんでした。
「なんであんな言い方するんだろう」などと余計なことを考えてしまい、仕事に集中できなくなったのです。
関係のない私がそんな状態だったのですから、言われた本人はもっと生産性が落ちていたでしょう。
3. 「叱る」も「怒る」も同じ
叱っているつもりが「怒り」の感情が入っている、ということ、ありますよね。「”怒る”ことと”叱る”ことは違う」とよく言われます。「怒るのは感情をぶつけること。叱るというのは間違った行為を指摘して諭すことである」と。
(中略)
しかしこういうときの上司は、本当は自分の不満と不安を仕事という隠れ蓑とセットにして部下にぶつけているのではないでしょうか。そのとき”怒る”感情がゼロかどうかといえば、そんなことはありません。少なからず怒っているはずです。
したがって、私は”怒る”も”叱る”もいっしょだと思っていますP.26
私は割烹料理屋でアルバイトをしていた頃に、料理の入った大皿を落として割ってしまったのですが、怒られませんでした。
怒らないことは「強さ」だ、とそのとき感じたものです。
4. 怒るのは人間的に未熟
怒ることでしか部下を動かせないとしたら、未熟と言わざるをえないのではないでしょうか。「怒る」(「叱る」も含めて)という行為は、「弱さ」の表れです。人として未熟だから、自分の内側にある感情を相手のせいにして相手にそのままぶつける。 自分で自分の感情をコントロールできないから、目の前にいる相手に吐き出してしまう。これは人としての弱さや未熟さ以外の何ものでもありません。
P.26
自分の感情のコントロール、そして、怒らずに部下を動かす能力、その二つができるようになる必要があります。
この言葉を思い出します。
部下の能力をどう活かすかは、上司次第ということですね。『あいつ使えない』という表現は、『あの人は役に立たない』という意味ではなく『私にはあの人を使う能力がない』という意味だ。『あいつ』と指差した手のうち3本は自分に向かっている
5. 「怒っちゃってごめんね」と謝る
まったく怒らずにいる、というのもなかなか難しいこともありそうです。私だって完璧な人間ではありません。一瞬、怒りそうになることはあるし、たまには怒ってしまうことがないわけではありません。
怒ってしまった時はその瞬間、私は自分が恥ずかしくなります。悲しくなります。恥ずかしくて悲しいままではいられないので、すぐに謝ります。
「あっ!怒っちゃってごめんね」と。
すぐに謝れば、相手の気持ちを落ち込ませたり、悲しませたりすることはなくなります。P.26
著者は「怒らない」と宣言しているから、怒ってしまうと恥ずかしいのかもしれません。
私たちも、そのように周りに宣言してしまえば、万が一怒ってしまったときに素直に謝りやすいかもしれませんね。
まとめ

最近、体罰が問題になりましたが、暴力や暴言でしか人を動かせないのは、リーダー失格ではないでしょうか。
「オレの時代はもっと上司が厳しかった」「今の若者は…」なんて声が聞こえてくることがあります。
しかし、それでも、今は今なのです。
以前、近所に某Hという弁当屋さんが新しくできたので行ってみたところ、スタッフが慣れないせいか、かなり待たされました。
その間、おそらく店長であろう男性が
などと、狭い店で客にも聞こえる大声で怒鳴っていました。「なにやってんだよ!早く!」
「違うだろ、こっち!!」
それでもレジのスタッフさんはぎこちない笑顔で接客してくれましたが、私はそれ以来その店へ行っていません。
接客業以外でも同じです。
イタリア人のジローラモさんの本『イタリア人式楽観思考法 』に、彼が日本の会社員時代、上司から「ニコニコしていないで、真面目に仕事しろ!」と怒られた、なんていう笑えない笑い話が載っていました。
真面目に取り組むことはとても大切なことですが、ニコニコしていてはいけないというのは異常です。
私は本『怒らないこと』を読んで以来、「怒るのはバカな証拠だ」と思うようにしています。

ここで紹介した本『怒らない経営 銀のさらを日本一にした「すべてに感謝する」生き方』からは、ビジネスと「怒ること」の関係について、あらためて考えさせられました。
起業ストーリーなどもとても興味深く読むことができましたよ。
ぜひチェックしてみてください。
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靴がほしい。- [2013/03/08 06:30]
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