ヒット商品を生み出し続けたエステー社長の考え方 〜本『社長は少しバカがいい。』

私たちには想像できないような危機を乗り越えてきた、エステーの名物社長。
その危機の乗り越え方や、アイデア発想法、リーダーシップなどを公開したのが、本『社長は少しバカがいい。~乱世を生き抜くリーダーの鉄則 』。
自社の上司のいうことを素直に聞けなくても、この方の話は思わず納得してしまうかもしれません(笑)。
あるいは、その過激さに「ありえない!自分は逆を行く!」と考えるのも良いでしょう。
いずれにしても、無難な選択肢を選びがちな方にぜひ読んでいただきたい本です。
今日は本書から、ヒット商品を生み出し続けたエステー社長の考え方を紹介します。
1. 「成功体験」を捨てろ
これがなかなか難しいですよね。成功体験とは怖いもんだ。これに囚われると命取りになる。当時のエステーがそうだった。
1971年に発売して以来、エアケア市場を開拓してきた芳 香剤・シャルダンは、防虫剤とともに会社の看板ブランドだった。しかし、この成功体験が経営陣の判断を鈍らせていた。競合がいち早く時代の変化をとらえ て、「芳香」から「消臭」へと舵を切るのに完全に遅れをとってしまっていたのだ。(中略)
だから、僕は思い切ってシャルダンというブランドを捨てることにした。P.52
過去の成功にすがりたい。そのほうがラクですし、安心だと勘違いしてしまう。
常に新しい道を探る姿勢を忘れないようにしたいものです。
そのためには、こういう人をうまく活かすと良さそうです。
2. 衆知を集めるから、間違える
秋元康さんも著書の中で、平均点ではつまらない、とおっしゃっています。かつて、エステーでも社員が集まって、ああだこうだと議論をしてネーミングを決める会議をやっていた。だから、誰に心にも響かない、無難なネーミングしか生まれない。
なぜか?
会議をやると、どうしても参加者のバランスをとってしまうからだ。
(中略)
それに、誰だって責任は負いたくない。「あの人が決めたネーミングで商品が売れなかった」と名指しされないために、予防線を張ろうとする。あるいは、他社の売れ筋商品のネーミングをもじったようなものにする。
それでは、ナンバーワンの商品など生まれはしない。
だから、この会議もやめた。P.63
リーダーが決める、その度胸が必要かもしれませんね。
ただ、個人的には「うまいブレスト」をすれば、上記のような懸念なく良いアイデアを生み出せる気もします。
これを見るとよくわかると思います。

3. 常識をひっくり返せ
「常識をひっくり返せ」と考えることはとても楽しいし、そしてそれが成功したときのことを考えたら、とてもワクワクしますね。当時、冷蔵庫の脱臭剤市場は、アメリカ資本のキムコやノンスメルでほとんど占められていた。完全に成熟したニッチ市場だった。
「成熟市場」というのは面白い。
なぜなら、「思い込み」があるからだ。当時の脱臭剤は、日本とヨーロッパは「ヤシガラ活性炭」、アメリカは「重曹」。これが常識だった。しかも、寡占市場だから慢心がある。アイデア一発でひっくり返せる可能性がある。P.126
そのためには、「遊び心」も必要かもしれません。
この本を読んでも、歴史を振り返ると非常識な人が成功してきたことがよく分かります。
4. 「逆張り」が幸運を引き寄せる
逆張りというのは孤独だし、勇気の要ること。大切なのは、心意気を胸に行動を起こすこと。もしかしたらバッシングを受けていたかもしれない。しかし、他の会社と横並びで何もしなければ、何も起こらなかったことだけは確かだ。
社長は群れちゃダメだ。
海外企業のM&Aだ、アジア進出だ、などと一緒になって騒いでるようじゃ話にならん。まとめてお陀仏になるのが関の山。だから、僕はいつだって「逆張り」だ。P.223
しかしより大きなことを成すとしたら、その勇気が必要なのでしょうね。
大きな行動ではありませんが、最近個人的には常に「逆を考える」という思考訓練?をしています。
これが性格的に(?)普通にできる方は逆に、「素直に受け入れる」が思考訓練になるかもですね(笑)。
5. 「自己否定」こそイノベーターの証
「変わりたい」と思う一方で、「変わりたくない」自分もいる。そういうこと、ありませんか?変わらなければ生き残れないーー。
これは、僕の経営哲学だ。
強い者が生き残るのではない。
変わることができる者が生き残るのだ。
変わり続けることこそ強さなのだ。
変わるためには、自己否定をしなければならない。
それまでの成功を捨て去る勇気も必要だ。
それこそ、イノベーターたる所以だ。P.246
変わるのは、ラクではないからかもしれません。
しかし、「現状維持」は衰退の始まりと考えることもできるでしょう。
この本を読むと、セルフ・イノベーションについてじっくり考えることができます。
まとめ

会社の舞台裏や鈴木社長の思考法などわかり、とても興味深い本です。
正直、自分が部下だったら「えっ!?」と何度も困ったのではないかと想像しましたが、上記の5項目を考えればそれも納得。
エステーといえば、この本も合わせて読んでみてください。
共通点が見つかり、鈴木(社長)イズムが社員にも浸透していたことが分かって、面白いですよ。
次はどのレビューを読みますか?




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- [2013/01/30 20:00]
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