大人なら必ず身につけたい!仕事のトラブルや夫婦喧嘩がなくなる話し方 〜本『話す技術・聞く技術』

早くも2013年に読んだ本のBEST10に入りそうな予感のする一冊に出会いました。
本『話す技術・聞く技術―交渉で最高の成果を引き出す「3つの会話」 』です。
ビジネスでもプライベートでも、誰もが「難しい会話」に直面します。
夫婦喧嘩、上司への反論、などなど。
本書に書かれていることを意識し、実践すれば、必ず会話・人間関係が改善します。
今日はこの中から特に大切だと感じた内容について、一緒に考えてみましょう。
1. 相手も自分も問題に加担している
よく起こりがちなのは、「相手が悪い」と思ってしまうこと。概して人間関係がうまくいかなくなるときには、だれもが何らかの重要なかたちで加担しているのだ。
もちろん人はふつう、そうは考えない。よくある歪曲によって、加担しているのが一方の側だけのように(中略)見えるのだ。P.122
自分も問題に加担している。それを理解することが重要です。あなたたちはふたりでいまの泥沼にはまりこんだのだ。そこから抜け出すにもおそらく両方いっしょでなくてはならないだろう。
ある状況にかかわる全員が問題に加担しているからといって、全員が等しく加担しているわけでもない。あなたの責任は5パーセントかもしれないし、あるいは95パーセントかもしれないーーそれでもやはり、共同の加担は存在する。もちろん加担の度合いを数字で表すのはかんたんではないし、たいていの場合あまり役にも立たない。真の目的は理解することであり、パーセンテージを割り当てることではないのだ。P.128
たとえば、私は5年前に信号のない交差点で車同士の事故に遭いました。相手の一旦停止無視が原因でした。
幸い愛車に守られ私はかすり傷程度で済みましたが、苦労して手に入れた愛車をたった9ヶ月で廃車にするはめに。
しかも、保険屋は私にも否があると言い、保険の対応は相手10:私0にならず、当時これはさすがに頭にきました。
しかしこれを本書の考えに当てはめてみると、
- 事故が起こりやすい道を通った
- 一旦停止無視の車が突っ込んでくるかもしれない、という注意を怠った
交通ルール上、正しいか間違っているかで言えば、警察・保険屋どちらも一旦停止無視した相手のほうが間違っているとしています。
しかし私は自分のことしかコントロール出来ないのです。
自分の加担を理解し、それを減らすことを考えなければ、また同じことを繰り返すかもしれません。
2. 相手を責めてはいけない
どちらが正しい・間違っている、などといつまでも責め合っていても、解決は遠のくばかりです。お互い、それぞれの解釈があり、それぞれのルールがあります。
自分のストーリーの中では、自分が正しいのです。
私は、ちょっと近所のコンビニへ行くだけでも、あまりだらしない格好で出かけたくありません。
このような暗黙のルールが人それぞれあるわけです。
しかし、「近所のコンビニくらい、ボサボサの頭や適当なジャージで行ってもいいでしょ」という人もいるでしょう。
このことを他人にまで強要し、「おまえは間違っている」などと責めてもしかたありません。
相手を責めるよりも、相手のストーリーを理解することが必要です。
3. 確信ではなく好奇心で相手のストーリーを傾聴する
相手のストーリーを知るには、話を聞くことが大切です。このとき、「これが正しい」「相手は間違っている」などと決めつけていてはいけません。
「なぜ、そう感じるのだろう?」「自分のどの言動が、相手に影響を与えたのだろう」など、好奇心を持って傾聴することが大切なのです。



4. 感情を抑えず、互いに伝え合う
ケンカしないために、自分の感情を伝えるのを抑えようとすることがありませんか?しかしこれは逆効果です。
互いの感情を、すべて、伝えることが大切です。感情をぶちまける、とは違います。伝える、です。<相手を責めたいという衝動は、感情が抑えられているときに生じる>
(中略)
じっさいに満たされないのは、責めを負わせられないからでは なく、感情を伝えられないからなのだ。責めを負わせたいという衝動は、感情をまったくぬきにした状態で加担のシステムを探るときに生じる。相手にたいして どうしても「認めろ!これはきみのせいなんだ!」と言わずにいられないのは、自分が伝えられない感情を押さえつけていることの証拠なのだ。P.167
「あなたの『あっちの服のほうが似合うんじゃない?』という言葉にとても悲しくなった」という具合に。
5. 感情を評価せず、理解・認めることを目的にする
評価しないためには、決めつけず、責めず、そしてアイ・メッセージで伝えることが大切です。それぞれの感情をテーブルの上にのせ、耳を傾け、認め合うことは不可欠だ。あなたが「わたしは傷ついた」と言い、相手が「あなたは過剰に反応している」と 言っているだけでは、おたがいへの、そして問題へのより深い理解を目指そうとするプロセスは行きづまってしまう。ある感情が正当かどうかを早まって評価することは、その感情の表現に、ひいては関係そのものに害をおよぼす。
P.173
評価しない代わりに、相手の感情を認めます。<「わたしはこう感じるのだけど……」ではじめる>
これは単純な行為でありながら、思いもよらないほどの効果をもたらす。この言葉は感情に焦点を当て、あなたが自分の視点からのみ話していることをあきらかにする。そして判断や批難が入り込まないP.175
必ずしも同意する必要はありません。認めることで相手の感情がずいぶん救われ、責められることが減るのです。
まとめ

以前読んだ本『怒らないこと』がとても良かったですが、「怒らせないこと」も大切ではないでしょうか。
本書『話す技術・聞く技術―交渉で最高の成果を引き出す「3つの会話」 』はその両方に役立ちそうです。
読んでみてあらためて、自分の加担を探ること、そして相手のストーリーと感情を認める重要性を強く感じました。
互いに共謀して問題を引き起こしたと認めるところから、問題の解決がはじまるとわかったわけです。
「そんなのあたりまえだろ」と思う方こそ、もしかしたら自分のストーリーでしか物事を見ることができていないかもしれません。
実際の本書にはこのようなステップでは書かれていませんし、当然もっと具体的に書かれており、事例も豊富。ここでは重要な点をすべて網羅はしていません。
この記事で少しでも興味を持たれた方はぜひ、本書を読んでみてください。オススメです。
次はどのレビューを読みますか?




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今日のひとこと
女子高生のリアルな会話。「ねえねえ、センター試験って何?」
「えーわかんない」
勉強以外の分野で成功することを祈っています。
- [2013/01/21 21:00]
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