ナンパされている(ように見える)女性を助けるべきか  はてなブックマーク - ナンパされている(ように見える)女性を助けるべきか

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先日、某カフェで難しい場面に遭遇した。





私はカフェで読書をしていた。6人分くらいがひと続きのソファー席。

レジの店員さんからは見えない位置にある。


右へ5つくらい離れた席に若い女性が一人、勉強?をしている。

顔までしっかり見てはいないが、オシャレな雰囲気だ。私と女性との間に他に人がいなかったので、その存在を認識していた。

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しばらくすると、サラリーマン風の男(30歳くらい?)がキョロキョロしながらやってきた。

特徴を思い出せないくらい、普通の男だ。チャラチャラしている感じでもないし、ひどく冴えない感じでもない。


男は、勉強している女性の正面ではなく隣に座り、話し始めた。

男の話す内容はほとんど聞こえないが、女性が楽しそうに応対しているのが聞こえる。

よく通る声。女性は明るく、人が良さそうなタイプだ。


「知り合いなんだな」そう思った。

メガネがオシャレでどうだとか、なんだか楽しそう。

しかし女性が敬語を使っていることが、少し気になった。


その後、私とその二人との間に別の客が座ったので、積極的に首を右へ向けないと二人のことが目に入らなくなった。


二人のことを忘れ、しばらく読書をしていると、女性の明るく、しかし違和感ある声が聞こえてきた。

「いえ、大丈夫です。いえ、いいです。好きな人いるので」


「…ナンパかな?」そう思った。

しかしここはカフェの店内。危険なことはないだろう。危険どころか、ナンパがキッカケで結婚するカップルだっているくらいで、男には積極性も必要だ。なにより二人はさっきまでは楽しそうに話していたのだ。


しかしなんだか気になる。

別の客が私のすぐ隣にいるのでそちらをあまりジロジロ見るのもおかしい。一瞬のつもりで二人に目をやると、男が女性との距離をグイグイ詰めたのが見えた。

なにを話しているかは、この状況に似合わないゆったりとした音楽と雑音にかき消されてよく聞こえない。さっきより女性の声は聞こえなくなった。


緊張が走った。

もしかして女性は困っているかもしれない。

助けるべきだろうか。

しかし所詮、お店の中でのナンパ。危険なことはないだろうし、わざわざ声をかけて大袈裟にしたらかえって迷惑かもしれない。

二人のほうをあまり見ることができないまま、神経だけをそちらへ集中した。


…しばらくすると男は立ち上がり、席を離れた。

なにもなかったのか。あきらめたのだろうか。


「やっぱり、気にするほどのことじゃなかった」

しかし直後から続く、鼻をすする音が気になり、そちらに一瞬だけ目をやると、なんと女性は泣いている。

驚いた。ナンパがそんなに嫌だったのか。いや、もしかしたらそれ以上のことがあったのかもしれない。


もう隣の別の客なんて気にならない。もう一度女性を見てみると、この距離からでも分かるほど、スマホを持った手がふるえている。

「しまった」

声をかけたほうがよかったんだ。

友達のフリでもしたら良かったかもしれないし、「なにかお困りですか?」などとストレートに言っても良かった。

目の前まで見に行くだけでも違ったかもしれない。


なのに、私はなにもしなかった。

こちらの手まで、くやしくてふるえた。


今からでも…と思ったが、私は男。ガラは悪くないと思うが、私が声をかけたらかえって怖がられる気がした。

他のお客さんは近くにほとんどいないが、周りに知られるのも女性は嫌がるかもしれない。


どうしたらいいのだろう。

どうもしなくてよいのかもしれない。

でも、もし必要なら安心させてあげたい。何かしなきゃいけない気がした。

次々と、してあげたいことのアイデアを思いつくのに、その全てに対して、やらないほうが良い理由も浮かんだ。


そうこうしているうちに、女性はようやく手のふるえがおさまったのか、友だちに電話をかけた。

明るい声に戻っている。いや、無理に明るくふるまっているのかもしれない。

「あ、そうなんだ〜。ちょっと相談したいことがあったんだけど、またにするね、ありがとう〜」

おいおい、こんな緊急時くらい、友達に甘えてもいいと思うよ。なんていい子なの。


別の友だちにもかけたが、つながらない様子。

誰かと話したいんだろうな。不安なんだろうな。状況からして勝手にそう思ったが、本当のところは、何もわからない。



結局その後、私は荷物をまとめて帰り際にひと言、女性にしか聞こえないくらい小さな声で「大丈夫ですか?」と声をかけてみた。

「え、はい…、大丈夫です」

私が女性の前で立ち止まったのはたった5秒。返事を聞いてすぐ立ち去った。

知らない女性に声をかける状況なんてめったにない。ものすごく緊張した。


私に返事をするとき、女性は笑顔を「つくった」。たぶんそうだ。

本当に大丈夫なのか、私にはわからない。

でも、「大丈夫です」としか言えないよなぁ、そりゃ。あとでそう思った。

安心させてあげたくて声をかけたつもりだったが、実は何もやらずに後悔しないために、自分のために声をかけたんじゃないかと思えてきた。


本当は、女性にあやまりたかった。でも、できなかった。

「助けなくて、ごめんなさい」





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今日のひとこと

上記のカフェで私が読んでいたのはこの本…。

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コメント

はじめまして。
いつも楽しく読ませてもらっています。鍼灸師の霧子と申します。

コウスケさんの思いやりは、口に出したひと言のぶんだけは確実に伝わったと思いますよ!

コメントありがとうございます

>霧子さん
いつもありがとうございます。
あの女性がなんともなければ良いのだけど、と思います。

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