パートナー・子供・部下との関係が良くなる!人の心を動かす6つの考え方 〜本『ひとを動かす技術』

「部下がもっとやる気を出してくれたら…。」
「嫁が、もうちょっと思い通りにしてくれたらな…。」
「子供がもっと言うことを聞いてくれたら…。」
こういった、人に対する悩みは誰でも持っているかもしれません。
本『ひとを動かす技術 』は、物語形式で人の心を動かすコツを教えてくれる本。
エルおばさんというメンターから主人公ベンが学び、成長していくのに合わせて、読者も成長できます。
今日は本書から、人の心を動かす6つの考え方について考えてみましょう。
1. 「押す」より「引く」
「押す力」は
たかが知れている。
影響力は「引く力」で
できている。
ついつい、人を「説得」しようとしてしまいませんか?言葉が少なければ少ないほど、強い影響力を持つことができる
すると、自分の意見を押し付けたり、話す言葉がどんどん増えます。
しかしこれらは逆効果というわけです。
相手の立場に立てば分かるのですが、ついついやってしまいがちですね。
2. 長所を見つけ、任せる
とある会社の女性社員にはスキルがなかったそうです。「しかし、ひとつだけ光るものがあった。それは、共感する力だ。彼女は人の話を聞くことができる。彼女に話すと、みなしっかりと受け止めてもらえた気になる。わかるかい?」
(中略)
「だから、私たちは彼女を電話対応の職につけた。彼女はまさに適役だった。みな彼女と話すのが大好きだった。数年後、資材調達部の責任者が必要になったから、彼女にそれを任せたんだ」P.90
苦手なこと・できないことができるようになることはとても重要ですが、それが難しそうなら長所を伸ばすことを考えるのも一つですよね。「おそらく、私には彼女自身が気づいていない可能性が見えたんだと思う。ウィンストン・チャーチルもこう言っている。『他人の長所を伸ばすいちばんの方法は、人にそれを任せてしまうことだ』」
オーガスティンは続けた。
「私はこの考えが好きだ。相手の大きさにふさわしい課題を与えてみるんだ。できれば少し難しいものをね。するとたいてい、彼らはそれをやり遂げる。それどころか、期待以上の結果を出すことが多い」P.091
しかしそれを見極める目がなく、「あいつは使えない」と判断している上司が多いのではないでしょうか。
この言葉を思い出します。
部下の能力をどう活かすかは、上司次第ということですね。『あいつ使えない』という表現は、『あの人は役に立たない』という意味ではなく『私にはあの人を使う能力がない』という意味だ。
この本も参考になります。
3. 「反応」せずに、「対応」する
レストランで食事中、ベンに他のお客さん(大男)がぶつかってきて、コーヒーがこぼれてしまいました。その大男は怒り、ベンをけなし、シミのついたジャケットをどうするのか、店の支配人を呼べなどとまくしたてます。
もしこのとき、ベンが応戦していたらどうなったでしょうか。ベンも頭に血が上るのを感じ、応戦しようとしたそのとき、
「すみません」
気がつくと、エルおばさんが男の前に立ち、湿らせた布ナプキンを彼に差し出していた。(中略)
「申し訳ありません」と彼女は静かに言った。「きっと私が彼の気をそらしてしまったんです。ドライクリーニングの御代をお支払いしましょう」
あっけにとられた大男は、(中略)「いや」やっとの思いで彼は言った。「大したことはないようだ」P.102
それは何も考えずただ「反応」しているだけです。
実はこういう場面は、私たちの日常によくありますよね。「彼はただ反応した」とエルおばさんは言った。「私は対応した。このふたつはまったく違う行動だわ」
(中略)
「感情的になっている話し合いほどうまくいかないものはないわ。もし誰もが冷静になって対話すれば、世の中はもっと平和になるのに……」P.103
あなたは「対応」ができていますか?
4. 自分がやってもいないことを人に期待しない
部下から「そんなに言うなら、おまえやってみろよ」と陰口を言われている上司はマズイですよね。「『世界に名を残すような成功を収める人は、世界の誰もが気づかないような小さなことを成し遂げることから始める』
そして、リーダーは自分がやってもいないことを人に期待してはいけない。まずは自分の爪やブーツの中まで泥まみれにすること」P.152
あのネルソン・マンデラは服役中、なんと看守や他の受刑者の尿瓶を洗ったそうです。
人の嫌がることを率先してやることは、人の心を掴みますね。
「行動は雄弁なり」というシェークスピアの言葉を思い出しました。
5. 情報が足りなくても決断する
まったく同じことが、この本にも書かれています。必要な情報が
足りない中でも
決断できる者が
上に立つことになる。P.128
情報が少ない中で決断するには、「経験」と「自信」が必要でしょうか。
そしてその決断する態度によって、周りからの「尊敬」と「信頼感」が集まりますね。
6. 「能力」よりも「人格」
仕事ができても人格がマズイと、「ついていきたい」「この人の言うとおりにしていれば間違いない」とは思いませんね。能力は大事だが、それ以上に大事なのは人格である。
P.192
本『キャリア官僚の交渉術』には、
と書かれています。究極の交渉力は「人間力」
以下のお三方は、ジャンルは違えどそれぞれ人に好かれる天才ですね。
まとめ

本『ひとを動かす技術 』、物語形式なのでサラっと読みやすく、また途中にまとめがあり、ポイントもつかみやすくなっています。「あなたが大事なのではなく、大事なのはあなたのチームやお客さま、
地域コミュニティ、そして過去から受け継いできたものだ。
大切な人とこの本をシェアしてほしい」
セス・ゴーディン(元Yahoo!副社長)
原著のタイトルは"It's Not About You"。
それはあなたについてではない。つまり、あなたが大事なのではない、ということですね。
自分ではなく、相手のことを大切に考える。
当たり前のはずが、できていないこともありそうです。
肩書きや権力を使って自分の思い通りに人を動かすリーダーと、人望や信頼感で人を動かすリーダー。
あなたはどちらを選びますか?
良書です。ぜひ読んでみてください。
次はどのレビューを読みますか?

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