【交渉本その1】社会人ならこれだけは押さえておきたい!『ハーバード流交渉術』

これらすべて、この本で解決できます。「お客さまともっとうまくやりとりできていたら、あの案件は受注できていたかも…」
「このパソコン、店員さんにうまく言えたらもっと安く買えたのかも…」
「面接でもっとうまくアピールできていたら、いまごろあの会社の社員だったかも…」
「奥さんにもっとうまい言い方すれば、欲しかったあれを買うことができていたのに…」
本『 ハーバード流交渉術 必ず「望む結果」を引き出せる! 』です。
「交渉」というとなんだか難しく考えてしまいそうですが、したことがない人はいないはずです。
私たちの身の回りには、意外と多くの「交渉」があります。
- 値引き交渉
- 就職などの面接
- 女性を口説くとき
- 家族との小遣い交渉(笑)
- 家族間のTVのチャンネル権争い(笑)
「交渉」のうまい人は、自分の望む結果をうまく手に入れることができ、また相手にも満足してもらえるでしょう。
私たちが生きていくうえで、非常に重要なスキルといえるのではないでしょうか。
本書は、交渉に関する本の中でも長年売れ続けている名著の新訳版。
ハーバード大学交渉学研究所のメイン・スタッフが開発した「交渉学」のすべてを公開したものです。
今日は「交渉本シリーズ第一弾」として本書から、すぐに使える交渉の5つのスキルを紹介します。
1. 相手の心の問題を考え続ける
相手も人間である以上、相手の「心」を無視するわけにはいきません。相手が感情や欠点をもった人間であることに配慮しないと、交渉は往々にして失敗する。準備段階からフォローアップに至るまで、交渉では常に「人の心の問題(人間的要因)をきちんと考えているか」と自問し続けることが大切だ。
P.46
たとえば、相手に嫌われることは交渉を不利にするかもしれないし、逆に相手を喜ばせることができれば、良い結果が得られるかもしれません。
あえて相手にストレスを与えることで、早く決断させるという場面もありそうです。
交渉中、自分のエゴが出てしまいがちですが、常に相手の「心」を意識するのが大切ですね。

2. 相手と知り合いになっておく
以前、ノートパソコンを買いに家電屋へ行ったときのこと。相手が”交渉相手”という抽象的な存在だと「何を考えているかわからない」と、疑心暗鬼になりやすいのだが、一方で、知っている相手ならそのようにカン繰らずにすむ。
同じクラスの生徒や職場の同僚、友人、あるいは友人の友人でもいいが、個人的つながりをもったお人間は、他人を相手にするのとはずいぶん違う。交渉相手とも、なるべく早い段階で知り合いになってしまえばスムーズだ。P.78
たまたま担当してくれた店員さんがなんだか馴れ馴れしい。そして妙に親切。
後で知ったのですが、なんと偶然、その1週間前に私の弟がその店員さんから大きな買い物をしていたのです。
店員さんはどうやら、私と弟を同一人物だと勘違いしていたようですが、お互いそんな勘違いがあるとも知らず、値引き交渉。
もうあと一歩!と粘っていたところ、なんと裏ワザ(?)を使ってさらに2万円も値引きしてくれました。
インターネットのプロバイダ加入で2万円引きになるキャンペーンがあり、それに加入したことにして値引きしてくれたのです。
店員さんと前にも会っていた(と勘違いしてくれた)から、そこまでしてくれたのかな、と思います。
これはたまたま運が良かった話ですが、交渉の前に相手との距離を縮めておくのはとても有効ですね。
3. 相手の話を聞いているというアピールをする
太字の部分、これは名言ですね。こちらが真剣に耳を傾けて「それは、これこれこういうことと理解してよろしいでしょうか」などと質問や合いの手を挟んでいけば、相手も形だけのやりとりではないと気づくだろう。話が通じているという満足感も覚えるはずだ。「一番安上がりな譲歩は、あなたのお話を聞いていますよ、というアピール」といわれるゆえんである。
P.73
相手の話をしっかり聞く姿勢をみせることは、交渉で相手の要求を飲んでいるのと近い効果がある、というわけです。
それほどまで相手が満足してくれるのなら、私たちはもっと「聞く」ことをしても良さそうです。
しかし、意識しないと意外とできないものです。



4. さまざまな合意の選択肢を考える
有名な「オレンジを分ける子ども」の寓話が本書に紹介されています。
姉妹がお互いに「オレンジがほしい」と言い、結局なかよく半分に分けました。
ところが、姉は実を食べて皮を捨て、妹は皮を使ってケーキを作ったのです(実は捨てた)。
それなら半分に分けるのではなく、皮と実に分けるのが、どちらも得する一番の選択肢だったはずですね。
交渉の選択肢はAかBしかない、などと決めつけず、選択肢をなるべく広く、たくさんつくることが大切。片方がまるまる実をとって片方が皮をとれるにもかかわらず、ただ真っ二つに割ってしまうケースが圧倒的に多いのだ。なぜそんなことになってしまうのだろう。
それは、さまざまな合意の選択肢を考えることが大切なのにほとんどの人はその重要性を認識していないからだ。P.108
このためにも上記3の「聞く」が大切ですね。
視野を広げ、様々な選択肢を思いつくためには、この本の考え方も役立ちそうです。

5. これ以上は譲歩できないという「防衛ライン」を設定しておく
ネットオークションなどしていると、ついつい気分が盛り上がって、当初思っていたより高値で落札してしまうことがあります。何かを買うのであれば、ここまでなら出せるという最高額が防衛ラインだ。売るときは、手放してもいい最低価格ということになる。
(中略)
防衛ラインがあると、交渉の場で受ける圧力や誘惑に抵抗しやすくなる。P.174
あらかじめ「2万円まで」などと防衛ラインを決めておくことが必要ですね。
自動車の購入時なども、購入をほぼ決意してからいろいろとオプションを付けてしまい、結局思ったより高くついた、なんてこともありそう。
防衛ラインを決め、その危険を排除しましょう。
まとめ

今回たまたま上記の5項目を挙げましたが、本書には交渉の基本から応用まで、必ず押さえておきたいことがしっかり書かれています。
アメリカで出版された原書は30年以上にわたってベストセラーリストにランクインし続けているそうです。
強固に押し切るハード型でも、友好的・譲歩的に進めるソフト型でもない、まったく新しい「ハーバード流」の交渉スキルで人の一つ上をいくことを説いています。
本書にある
- 原則立脚型という戦略
- 交渉のプロセス
「駆け引き」ではない、友好的かつ効率的に優れた結果を導き出すことを目指した交渉術。
あなたも手に入れてみたいと思いませんか?
しばらく「交渉本シリーズ」として他にも紹介していく予定ですが、本書はマストでしょう。
(追記:以下もどうぞ)
次はどのレビューを読みますか?




関連リンク
- あなたの中の天才を引き出す!「クリエイティビティ」を爆発させる6つの方法
- 【ブロガー必読】「目のつけどころが良い!」と言われる文章を書くための6つの方法
- アイデアに才能は要らない!『アイデアハンター』になるための5つの考え方
- 視野を広げる・視点を変えるってどうやったらいいの?を解決する『3D思考』
- 日常的にブログ記事を「企画」する6つの方法
今日のひとこと
スタバで必死にたくさんの年賀状を書いてる人がいました。
お店のサービスで、来店した客にオリジナルデザインの年賀状を1枚無料配布、お店に設置したポストに投函したら元旦に届き、その年賀状自体がクーポン券になっている、なんてサービスがあったらおもしろいかも。
- [2012/12/26 20:30]
- オススメの本 |
- トラックバック(0) |
- コメント(0) |
- この記事のURL |
- TOP ▲
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://kosstyle.blog16.fc2.com/tb.php/2062-ee94fa50
- | HOME |