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あなたのツッコミはつまらない!『一億総ツッコミ時代』  はてなブックマーク - あなたのツッコミはつまらない!『一億総ツッコミ時代』

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TVをつければお笑い芸人を見ない日はありません。

それくらい「お笑い」は身近になっていて、お笑い芸人でない私たちでも「ボケ」たり「ツッコミ」を入れたりなんてことを日常的に意識するようになっています。

しかしここに問題があります。

「お笑い」が、世の中を反映していくなかで、供給が過ぎた結果、ある現象が起こっているのです。それは、皆が「ツッコミ」になってしまったことです。

P.4

最近、有名お笑い芸人が次々とツイッターをやめたことが話題になりましたが、やめた理由は「ツイッターで叩かれまくったこと」です。

ツイッターに限らず、2ちゃんねるや、ネット以外でも、「叩く」=「ツッコミ」が横行しています。


本『一億総ツッコミ時代』から、この問題について考えてみましょう。




皆が「ツッコミ」ではつまらない

芸能人など目立つ存在の人は、ちょっとのことですぐにネットで叩かれます。

面と向かって1対1ではない・匿名であることが、これを助長していますね。


ネットでなくても、たとえばスポーツでも、応援しているはずのチームに対してヤジを飛ばすなんてことが当たり前に行われています。


政治家や力士など目立つ存在に対して、ネット上の匿名性のなかで貶めたり、過剰に攻撃したりする風潮もあります。「失敗していない多数側」に自分がいることで安心感を得ているというわけです。

P.5
「どこかツッコミを入れるところはないか」と常に獲物を探している人が増えているのです。

見つけたらすかさず攻撃。

なんだか恐ろしいですね。そしてそのツッコミはいじめに近い、単なる攻撃であり、おもしろくないのです。



魂の浄化のためにツッコミたい?

どうも「ツッコミ」で相手を攻撃するのは、ストレス発散の意味もありそうです。

(生放送にコメントを入れられる動画サイトで著者が放送をしていて)
最初は批判や批難に似たツッコミを嫌っていたのですが、あるときから「ハゲって今関係ないだろ!」と返してあげるようにしました。すると、ツッコミを入れた視聴者は、キャッキャと本当に喜ぶのです。
画面の向こうにいる演者にツッコミを入れることは、視聴者にとって毒素を吐き出していると考えることもできます。ツッコミを入れ、それに対して反応があることで救われる。魂の浄化が起きるわけです。

P.65
個人的には、冗談のレベルのツッコミならともかく、「中傷」「文句」に反応するのはかなり難しいスキルだと思っています。

反応すれば余計に大きな攻撃が返ってくることが多く、スルーしたほうがラクな場合が多いので、ネット上ではそれをオススメします。


というのもたいていの場合、そうした「攻撃」は、言った時点でもうスッキリしている場合が多いのです。

私もブログ記事に対して厳しいコメントをいただく場合があります。

わざわざ手間と時間をかけてツッコミを入れるのは、自分がスッキリするためだからではないでしょうか。

もちろん、私のためにツッコんでくれるとてもありがたいものも中にはありますが、攻撃的なツッコミをする人は、私からの反応が欲しいというより、ガツンとツッコめば、それでもうスッキリし、コメントしたことすら忘れているのではと思えることが多いのです。


私は勉強会やセミナーを主催しますが、アンケートにあえて不満な点も書いてもらうようにしています。

それを見て凹む人もいるでしょうが、私はあまりそういうことはありません。

フィードバックをもらって今後に活かすというのが一番の目的であり、自分の気づかない視点をもらえるのでとても参考になります。

そしてもう1つの目的として、参加者の方に、アンケートに不満をぶつけることでスッキリしてもらう効果があると思うのです。



減点法より加点法で「面白み」を見つける

今は「減点法」の世の中です。人々の目線が減点法になっています。面白い、魅力的だと感じたものに対しても、ついつい減点ポイントに目がいってしまう。取るに足らない、どうでもいいような減点ポイントでも、見つかってしまったら評価は下がる一方です。
逆に、加点法のものの見方とは、物事に対して自分で面白みを見つけていくことです。
たとえば、一度見ただけではとっつきの悪かった、理解しにくかった映画があったとしても、「あの映画はつまらない」と切って捨てるのではなく、資料などをも とにしてその物語の組成や映画の背景を読み解いていく。味わい方を見つけたとき、新たな面白さは発見されます。これが加点法的なものの見方です。

P.112
「あの映画はつまらない」とツッコミを入れても、何の価値も生み出していません。

本来「ツッコミ」は、面白さを引き出すためのもの。攻撃が目的ではないはずです。


これが以前紹介した本『つっこみ力』にまさに書かれていることです。

つっこみ力 (ちくま新書 645)


イタリア人が教える!?あなたと周りの人を幸せにする『つっこみ力』 - ライフハックブログKo's Style


自分は何も行動せず、ただ口だけで他人を攻撃することは、ハッキリ言って誰でもできます。

そのような攻撃でちょっと鋭い指摘をしたと得意げになっている人も、それで何か価値を生み出していなければ意味がないわけです。


それなら、減点法ではなく加点法で、面白さなどの「価値」を見つけてはどうでしょうか。

映画について、あまりにつまらなすぎて面白い!というツッコミなら価値があるでしょう。

また、「酷評されているあの映画は、こう見ると楽しめる」という意見のほうが、「あの映画はつまらない」というものよりよほど価値があり、注目を集めるでしょう。

結局、ツッコミの対象に対して「愛」があるかないかの違いではないでしょうか。



行動し、他人が語ってくれる人になれ

ヤンキーに代表されるような行動力のある人は、
(中略)
主役感があります。ただし、自分で自分について語るのではなく、行動することによって結果的に誰かに語られているのです。
こういう人は、他者にツッコミを入れる時間があったら、自分のために労力を費やしていきます。

P.98
正直ヤンキーが本当にそうなのかよくわかりませんが、他人にツッコミを入れるヒマがあったら、他人に語ってもらえる人間になれ、ということですね。

「語られる」のいうのは必ずしも良いことばかりではなく、悪い言われた方もあるかもしれません。

しかしそのように「ツッコミ」をされるというのは、行動しているからです。

思いを持って、グイグイと行動する人というのは、どうしてもツッコまれるものなのです。

勲章のようなものかもしれません。



あえてツッコまれる

「好き/嫌い」をはっきり言ったほうがいいんじゃない?と周りの人には言っています。「いい/悪い」のようなメタ的な視点はもう効力がないと思います。そういう客観的な見方があってもいいのですが、遠くには響かないでしょう。それは誰が発言してもいい内容だからです。
(中略)
好き嫌いを表明しましょう。そして、好き嫌いで自分を表明することに対して第三者から何かを言われても平気な精神を養っていきましょう。

P.135
個人的には、他人の「嫌い」の話にはあまり興味がありません。「好き」を聞くほうが楽しいし、よほど価値があると思います。

ただ、「一般的にダメ」だとか、誰がどう見てもダメでしょというのではなく、「自分はあれが嫌いなんだ」と表明することには熱があり、注目され、そしてそれはツッコミの対象になるかもしれません。


ところで、このようにブログを書くときでも、慣れてくるとどうしても

「こう書くと、ここをツッコまれるかもしれないからもうちょっと説明しておこう」

などと考えてしまうことがあります。

しかしそれをやりすぎると文章が長く・わかりにくくなるし、また無難すぎて面白みのない文章になってしまいます。

あえてツッコミどころを残す・スキをつくる勇気を持つと、「オレはそうは思わない」「ここは違うでしょ」といじりやすい記事になり、結果ツイッターなどで拡散されることにもつながります。

それの極端な例が、炎上マーケティングですね(そこまでしないほうが良いと思いますが)。



まとめ

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著者は、

「ツッコミ思考」から「ボケ思考」になること

P.8
を提案しています。

これはとても大切だと思いますが、個人的には「ツッコミ思考」も重要と思います。

ただそのツッコミの質が問題なのです。

ツッコまれた人が喜んだり、聞いた人がなるほどと思うような、価値を生み出す「ツッコミ」ができないのであれば、ボケにまわるほうが良いでしょう。


私自身もそうですが、誰かを批判的に攻撃したくなるときというのは、自分が精神的に余裕のないときが多いのではないでしょうか。

他人を攻撃しそうになったとき、それを飲み込み、「あぁ、ちょっと心に余裕がないな」と気付くことができ、できればそれを笑いに変えられるようになりたいものです。


ちなみにこの本、先日の東京ライフハック研究会で初めてお会いした、ブログ「カフェパウゼをあなたと」の@kfpauseさんに紹介してもらい、そのまま本もいただいちゃいました!(笑)

ありがとうございます!


カフェパウゼをあなたと Kaffeepause mit Ihnen






次はどのレビューを読みますか?

4087814602479421846X4887595166怒らないこと―役立つ初期仏教法話〈1〉 (サンガ新書)


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今日のひとこと

11月になるとまたスタバの新しいメニューがあれこれ出ますね。楽しみ。







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