「叱らない」という企画、「叱る」という企画

先日
で紹介したように、AKBなどのヒット企画を連発している秋元康さんは「予定調和を裏切る」ことが大切だとおっしゃっています。
つまり、予想通りのことが起きても、心に残らないということです。人間は、予定調和のことをされても響かない
秋元康の仕事学 P.75
これは普段の仕事の中で、また生活の中でも活きてきます。
実際私は昔、こんなことがありました。
「叱らない」という企画

(c) ピノキオ|ストック写真 PIXTA
私は学生時代、割烹料理屋でアルバイトをしていました。
店の板長さんは、九州男児で角刈り、強面、空手が趣味の50歳前後の方です。
ある日、板長さんが昼から時間をかけて仕込んだ料理の入った大皿を、なんと私がうっかり手を滑らせて落としてしまいました。
高価な大皿はもちろん、板長の昼間の仕込みもムダにしてしまったのです。
私は血の気が引きました。怒鳴られるのを覚悟しました。
ところが、板長さんは小さな声でひと言こう言って、奥でまた一から仕込み作業を始めたのです。
これには驚いたと同時に、鳥肌が立ちました。「形あるものは、いつかは壊れる」
そして逆に胸が痛み、二度とこのようなミスはしないと誓ったのです。
これが、普通に怒鳴られていたら、10年以上経った今まで覚えていることはないでしょう。
まさに予定調和が裏切られたことで、今も心に残っているのです。
「叱る」という企画

(c) サカケン|写真素材 PIXTA
一方、同じ店の女将さんはとてもユニークな方。
童顔だった私コウスケのことを、お客さんに「オカマのコウちゃんで~す」などと紹介したり(笑)
あるとき、女将さんがカウンター席前の狭い通路を歩いた際、置いていた自分のグラスを落として割ってしまいました。
ガチャン!と音が響き、お客さんに「ごめんなさいねぇ~」と謝ったあと、大声でこう言ったのです。
これは衝撃でした(笑)。「コウちゃん!こんなところにグラス置いておいちゃダメでしょ!アハハ!」
グラスをそこに置いたのも、割ったのも、女将さんです。
しかし、目の前のカウンター席のお客さんは常連さんが多く、そんなことは察していて笑っています。
私はまさか自分が怒られるとは思ってませんでしたが、「スミマセン!」と言って割れたグラスを片付けました。
それ以来、グラスや皿が落ちそうでないかということに敏感になり、また女将さんの行動をよく見るようになりました。
あれはもしかしたら、「これからは先読みして仕事してね」という女将さんからのメッセージだったのかもしれません。
もしくは、グラスが割れるというマイナスの状況を一変させ、お客さんを笑わせるためのパフォーマンスだったのかもしれません。
いずれにしても、今思えばそこに「企画」があったように感じる出来事です。
企画は日常に必要なこと
どちらの例も、私の想像とは全く違う展開でした。
ストレートに言われなかったせいで、逆に私の心に伝わったのです。
しかも10年以上たった今でもよく覚えている出来事です。
「企画」というのは別世界のことのように思いがちですが、違います。
どう伝えるか、どう考えるか、どう進めるか、どう問題解決するかなど、身近なところに企画があるのです。
身の回りのことについて、もっと意識して予定調和を裏切ることをしてみると、おもしろそうです。
…っと言いつつ、この記事で特にそのようなことができていません。
なかなか難しいですね…。
次はどれを読みますか?



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管理人のつぶやき
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- [2011/08/25 21:48]
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