人たらし社長が大切にしている5つの考え方 ~本『憂鬱でなければ、仕事じゃない』

今日紹介するのは、幻冬舎の見城社長 × サイバーエージェント藤田社長によるシゴト論がつまった本、『憂鬱でなければ、仕事じゃない 』。
対談ではなく、見城社長の手書きの35の言葉について、お二人がそれぞれの考えを展開しています。
見城社長といえば、角川書店時代、名編集者として五木寛之、村上龍らのベストセラーを手がけたことや、坂本龍一、松任谷由実、尾崎豊らと親交が深かったという人たらしぶりが、様々なメディアで今も語り継がれています。
藤田社長が
というだけあって、見城社長の言葉はとても深く、本書を読んだ方も間違いなくインパクトを感じると思います。「三十代になってから一番影響を受けた人物は見城さんかもしれないな」
そんな本書から、特に気になった言葉を5つ紹介します。
1. 「極端」こそわが命
これは見城社長の言葉。僕にとって何より重要なのは「極端」であることだ。
「極端」であれば、振り切れている。突き抜けたオリジナリティーを獲得している。だから、明快であり、新しい。
「極端」なものは既成概念から自由で、インパクトがあり、人を惹き付ける。
では、どうすれば、「極端」なものを生み出せるか?
中間を憎み、極北を目指して圧倒的努力をするしかない。P.60
個性とかオリジナリティが大切だと言われますが、圧倒的努力が「極端」なもの=オリジナリティを生み出し、人を惹き付けるのですね。
一方これについて、藤田社長はこうおっしゃっています。
以前、超速行動でエリートたちを置き去りにするという話を紹介しましたが、個人レベルでも、「最速」で結果を出すことは、センスや才能を超えて人を惹き付けることにつながるでしょう。ネットでは既存のものよりも際立って優れているか、まだ誰も提供していないものでなければ存在意義がありません。僕は"最高"か"最速"しか生き残れないと思っています。この考えは、他のビジネスにも通じるのではないでしょうか。
2. 頼みごと百対一の法則
なんでも引き受けていたらキリがないので「できる限り」なわけですが、その場の「損得」を考えていると次のチャンスの種を逃すのでしょう。人から何かを頼まれた時は、できる限りひきうけるべきだ。
そのほうが距離が一気に縮まっていく。
こちらの意向も通じやすくなる。P.129
似た話がもう1つあります。
先の話と違い、頼まれてもいない場合の話ですね。何の報いも期待されず、
何かを与えられた者は、どう思うだろう?
何としても相手に多く返したいと思うにちがいない。
そこに人を動かす力の本質がある。P.135
どちらも、『影響力の武器―なぜ、人は動かされるのか 』などで紹介されている、返報性のルールで説明がつきます。
悪徳商法などでこれが使われると怖いわけですが、「こちらが何らかの恩恵を施したら、相手は似たような形でそのお返しをしなくてはならないと感じる」ということです。
さらに極端になると、圧倒的に相手に与えまくることで相手より上位に立つ、なんて考え方も以前紹介した本『軽く扱われない話し方』に書かれています。
いつも見返りを期待して、というのもアレですが、こういうこともあると頭においておくとよいでしょう。
3. ノー・ぺイン、ノー・ゲイン
個人的には正直、なんでも苦しめば価値があるのだ、とは思いませんが、しかし苦しんだほうが自然と学べるように感じます。Painとは、苦痛と努力の意味がある。
(中略)
苦しみ抜いて得られたものにだけ、価値はあるのだ。P.207
逆に、うまくいっている時は「意識」しないと学ぶことが難しいのです。
その「意識」を忘れると、次に同じようにうまくやることができない、なんてこともあるわけです。
見城社長のように、あえて苦しい道を選ぶというのはなかなか勇気のいることですが、「学び」に限って言えば、むしろそのほうが楽なのかもしれません。
4. 小さなことにくよくよしろよ
「くよくよ」はどうかと思いますが、小さなことを疎かにしてはいけないという教訓ですね。小さなことを守れないやつに、大きな仕事などできるはずがない。
P.16
本書では、幻冬舎の本を買うという掃除のおばちゃんに見城社長が約束通りタダで本を送ってあげたエピソードや、逆に、社交辞令的に「今度◯◯します~」と言いながら連絡がなかった人の話も紹介されています。
社交辞令で…というのは、身に覚えのある方も多いのでは(汗)。
小さなことでも守られなかったらガッカリするし、逆にささいなことを覚えてくれていたら、相手はグっと好印象を持つでしょう。
小さなことにこそ、信用のスイッチがあると言えそうです。
5. 人心を掴む
これは驚きました。天気の話をするというのは日本では当たり前のように行われることです。天気の話でコミュンケーションを図るホテルマンは最低である
P.104
以前紹介したこちらにも。
会話に詰まった時のタネ 『たちつてとなかにはいれ』 - ライフハックブログKo's Style
しかし見城社長に言わせれば、
などという言葉は安直で、ホスピタリティや努力が全く感じられない、つまらない言葉なのだとか。「今日は晴れてて良かったですよね~」
言われてみれば確かにそうかもしれませんが…、すごいこだわりですね。
そういえば以前、とある超有名ブロガーさんから飲み会の席で、
と言われたのを思い出しました。「コウスケさんは当り障りのない、無難な質問しかしてこないよね」
失礼がないように、とやや意識していたせいでそう思われたのかな、と、その時はただ少し驚いただけだったのですが、今思えば、
という意味だったのかなといまさら気付きました(汗)。「コウスケさんは誰でも言うようなつまらない質問しかしてこないよね」
これについて心に刺さる、以下の言葉が本書に書かれています。
相手の心を動かしたり、印象に残るには、「刺激」が必要ということです。ハッとさせられるような一言を言えるか。
それも自分ではなく、相手のことで。P.125
なかなか難しいですが、今後意識します。
まとめ
見城社長について、本書で藤田社長がこうおっしゃっています。
確かに私は本書を読んで見城さんの言動の特徴は、二つある気がします。
一つは、表面的なことを嫌うこと。
もう一つは、凡康なことを嫌うこと。P.106
- もっと人と深く付き合おう
- もっと「他人と違うこと」を追求していいんじゃないか
しかしそれに加えて、「圧倒的努力」というのもキーワードであるように感じました。
「要領よくやる・効率よくやる(=ライフハック)」などと言ってたら見城社長に怒られそうだな、とw
とはいえ、
- 効率良くやること
- 圧倒的努力
ライフハックは、それをただ楽にやることが目的ではなくて、もっと大事なことに時間をかけるためにするものですよね。
みなさんは本書を読んで、藤田社長のように見城社長から大きな影響を受けるでしょうか。
それとも、藤田社長から影響を受けるでしょうか。
本書にある魂の35の言葉からみなさんがどんな影響を受けるのか。とても興味があります。
次はどれを読みますか?

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