ライフログ・ノートを毎日作り続ける6つのメリット ~『人生は1冊のノートにまとめなさい』より

今日紹介するのは、2010/11/27に発売される、
『人生は1冊のノートにまとめなさい―体験を自分化する「100円ノート」ライフログ 』。
タイトルから分かるように、あの『情報は1冊のノートにまとめなさい』の著者のシリーズ3作目です。
正直、読む前の疑問の1つとして
- 『情報は1冊のノートにまとめなさい』と何が違うの?
しかし、本書を読んだあとの私は自信を持って、1作目を読んだ方も、そうでない方も、今回紹介する『人生は1冊のノートにまとめなさい』を読む価値アリ!と言えます。
1作目はどちらかというと、
- 1冊のノートにどのように情報をまとめていくか
- どうやって活用するか
本書に書かれている方法、ライフログを1冊のノートにまとめるということは、ライフハッカーの間で使われる言葉、『ユビキタス・キャプチャー』、まさにそれです。
つまり、ユビキタス・キャプチャーに興味のある方は、本書を読めば、「本書の著者のやりかた」がわかるわけです。
以前紹介した『モレスキン伝説のノート活用術』には、Lifehacking.jp
さて、ノートのまとめ方、そしてその活用法に書かれた『人生は1冊のノートにまとめなさい』。
ここでは、本書から私が読み取った、
- 人生を1冊のノートにまとめる6つのメリット
特に、ほぼ日手帳やモレスキンのユーザーはきっとワクワクする内容ですよ。
体験をリサイクルし、今の自分に活かす

(c) TAKUMI-CG|写真素材 PIXTA
久しぶりに名古屋に出張することが決まったら、二年前に名古屋に出張したときの行動記録を読み返す。そこには、失敗は成功のもと、と言いますが、同じ失敗を繰り返すのはマズイですね。
「駅を間違えて降りたせいで遅刻しそうになった」
と書いてある。すると、
「そうだった。名鉄の駅はどれも同じに見えるから、路線図を持って行こう」
とあらかじめ対策を講じることができます。P.65
しかし我々は、失敗したことを忘れてしまうことが多いのです。
失敗も記録してあって、しかも読み返して次に活かすことが出来れば、その一度の失敗もムダではありません。
『空気』を残せる

(c) ちりん|写真素材 PIXTA
空気。言い換えれば、「雰囲気」や「臨場感」「感覚」は、デジタルより紙のほうが残しやすい。さらに言えば、そんなテキストや画像になりにくい情報「空気」こそ、ライフログには肝心だと思うからです。私はデジタルが一番効率がいい!と思って、あらゆることをどんどんデジタル化してきた一人です。P.13
しかし、最近ではアナログのメリットも感じており、デジタルとアナログを使い分けています。
手書きの文字には『表情』がありますね。
また、旅先でのチケットなども、スキャンしてデータ化するのも良いですが、それそのものが残っているのはより『リアル』です。
アナログにはデジタルにはない『味』、著者の言う『空気』がありますよね。
ただ、そういったことより『検索性』や『効率』を重視する方なら、やはりデジタルでしょう。
何気なく過ぎ去っていく日々を「確固とした体験」にする
時間と共に薄れていく体験を風化させず、より確実に自分の中に刻みこんでおくことができる。私は日常的になんでも写真に撮ります。P.17
旅行などの時はもちろん、いつものカフェで読書した時も、飲みに行った時もです。

これは「日記の代わり」とよく人に説明します。
あとでパソコンのPicasaやiPadでサーっと写真を見てみると、それがなければ絶対に忘れていたであろうことを思い出すことができます。
- 「このときはこんな服着てたか」
- 「そうだ、このときはコレ食べたんだ」
しかし、私の場合は職場では秘匿情報の問題で写真を撮ることができません。
また、細かい感情やその時の思いなどは、写真に記録されていません。
写真も良いのですが、それだけではライフログとしては不充分なのです。
メモを「手がかり」に、することで、いつでも過去に体験したことを生々しく呼び戻すことができます。P.18
ノートとともに自信が育つ

(c) Ryo.WATANABE|写真素材 PIXTA
紙のノートがどんどんたまっていくと、保管場所が必要。
これがイヤだからデジタル化、という人も多いでしょう。
しかし、
自分が活動してきた実績がノートという「現物」で見えると安心する。ノートの束を見て、「俺はこんなに頑張ってきた!成長してきた!」P.39
そう思える。
これは、人によってはありそうです。
ふと、本『20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義 』にあった話を思い出しました。
とある学生チームが、人気レストランの長蛇の列に目をつけ、いくつかの人気レストランに予約を入れ、予約時間が近づいたときに、長時間待ちたくない客に自分たちの予約した席を「売る」というビジネスを思いつき、実行したときの話です。
この作戦がとくにうまくいったのは、待っている客に無線端末を持たせて、席が用意できると知らせるレストランでした。客は、レストランから配られた自分の端末と、学生が持っている端末を交換すると、何か確かなものにお金を払ったような気になれます。確かな『モノ』に価値を感じる、というのは心理的にたしかにありそうです。P.12
望ましい行動をできるようになる

(c) yumik|写真素材 PIXTA
行動記録にいいことを書きたいから、望ましい行動をするという、いい循環が生まれてくるというわけです。これは私も実感していることです。P.146
以前の記事
ツイッターで就寝前にその日良かったことを3つつぶやく #3good - ライフハックブログKo's Style
に似たことを書いています。
「本」を読むような「学び」がある

(c) G-Line|写真素材 PIXTA
ノートの読み返しがきっかけになって、今の自分の考え方が変わることもよくあります。
「書物」としては、かなり刺激的な部類でしょう。世界でただ一つの書物「自分本」を読んで考えるのは、今はもういない過去の自分と対話するようなものです。P.67
どこかの偉い人が書いた人生訓や名著より、格段に受け入れやすい。P.177
これはおもしろい考え方ですね。
ライフログノートは、「自分本」。
本を読むように、学ぶつもりで読み返せば、様々な気づきが得られそうです。
また、ふとした時にメモしたが忘れかけていたアイデアなどを読み返すことで、新しいことを思いつく、なんてこともありそうです。
せっかく思いついたことを腐らせたらもったいない。
読み返して、活用できたら最高ですね。
まとめ
正直言ってしまいますが、私は1冊にはまとめられません。
職場の機密を持ち歩くわけにはいかないからです。
しかし、著者の言う情報の一元化のメリットはよくわかりますし、本書から多くのヒントを得ることができました。
なにも、すべて本書のとおりにする必要はないわけです。
著者の一番のやり方が本書であるわけですが、職種、ライフサイクル、そして好みや性格の違いによっても向き・不向きがあるはずですから。
しかし、著者も言われていますが、色々試してみるのが手帳やノート術の楽しいところ。
やりもせずにムリだとか効果がないとか決め付けるのはよくありません。
本書の中の「できること」は、実際に試してみませんか?
本書には、他にもメリットがたくさん書かれています。
また、実際の著者のノートの写真や、ノートの作り方、またそれを補助してくれる便利なツール(撮ってすぐ写真シールが出てくるPolaroid TWO欲しい!)など、もっともっとここで紹介したい内容がたくさんあるのですが、ぐっとこらえてここまでにします(笑)。
ぜひ、本書を手にとってみてください。
読んでいて楽しくなる本です。

動画も面白いのでぜひ。
- YouTube - 『人生は1冊のノートにまとめなさい』著者の文房具を紹介!
- YouTube - 『人生は1冊のノートにまとめなさい』著者のノートを公開!
- YouTube - 『人生は1冊のノートにまとめなさい』著者が語るおすすめノート
あ、ノートを作る習慣をつけるために、以下を読んでみるとよいかもしれません。
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管理人のつぶやき
- [2010/11/25 00:56]
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