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芥川賞作家に学ぶ、魅力的なブログの4つの書き方  はてなブックマーク - 芥川賞作家に学ぶ、魅力的なブログの4つの書き方

文は一行目から書かなくていい - 検索、コピペ時代の文章術

運転士』で芥川賞を受賞した著者が文章術をまとめた本、『文は一行目から書かなくていい - 検索、コピペ時代の文章術』。

本書ではブログの書き方を説明しているわけではありませんが、ブログに使える書き方・考え方が多くあります。


今日は本書にインスパイアされ、魅力的なブログの4つの書き方をまとめました。




1. 誰かが同じことを書いてないかググる

書き手にとっては、テーマ選びも文章術のうち。多くの人がすでに取り上げているテーマは、私にとって魅力的なものではありません

P. 91
ブログに関して言えば、ありきたりのテーマ・内容を書いても、「そんなの知ってる」とスルーされたり、バカにされることもあるでしょう。

しかし私はこれが全くムダだとは思いません。

ブログAに書いてあったとしても、あとで書かれたブログBを読んで初めてその情報を知る人もいるからです。


ただ、個人的には書き手としてそこにやや恥ずかしさを感じます。

私:  「7notesってiPadアプリが超便利だよ!」
誰か: 「そんなの知ってるよ」

っというのは、なんとも恥ずかしいのです。


そこで私がよくやるのは、ブログに書こうとしているテーマについてググることです。

もし、似た内容が既に書かれているのなら、書くのをやめるか、情報を加工すれば良いのです。

7notesというiPadアプリにはこんな機能がある、という情報しか先に書かれていないのなら、
  • 他の人と違う使い方を提案する
  • 他のアプリと比較する
など、見せ方を変えれば違う価値が生まれるのです。

http://blog-imgs-12.fc2.com/k/o/s/kosstyle/CIMG4145.jpg

書籍の紹介でも、なにかの意見や主張を書く場合でも同じですね。

多くの人がすでに書いているような内容は避けたいものです。



2. ひねくれものといわれてもいい

ブログを書くときに、つい万人うけしたいと思ってしまうことがあります。

しかし多くの人にウケようと無難なことを書いても、つまらない文章になってしまうのです。

ひねくれものといわれてもいい。
常日頃からみんなと違う方向に視線を向けることでユニークな視線が磨かれ、それが豊かな発想をもたらしてくれるでしょう。

P.28
上記1にも通じますが、みんなと同じ考えや主張をわざわざ書いたところで、「そんなことわかってる」とスルーされてしまうだけ。

ちょっと違うところに視線を向けてみたり、ちょっとひねくれているくらいのほうが、面白い文章を書けるのです。


注目を集めている人やブログ記事をあえて批判することで注目を自分に集めるということをする人もいます。

嫌われるかもしれませんが、それでも結果的にはみんなと違う視点ということで注目を集めることには成功しているのかもしれません。



3. たくさん書いてから、削る

アイデア出しと同じ考え方です。

まず発散。書きたいことを書き出します。使えるかどうかや順序などはここでは考えません

その後、収束。不要なものを削り、まとめます。


たとえばツイッターで140字書評にチャレンジしてみるとわかりやすいかもしれません。

はじめから140字にしようとすると、思考にブロックがかかり、良いアイデアが浮かびません。

300字くらい書いてみて、そこから削って削って140字にする。

これなら、様々なアイデアから内容が厳選された、濃い文章になります。


何を残し、何を削るのか。

この「削る力」が重要なのです。



4. タイトルは本文とは別で考え、あとですりあわせる

私がタイトルをつけるときは、言葉の連想ゲームのように単語を思い浮かべていきます。デジタルカメラについてのエッセイを書くとします。

 思い出、記憶、記憶と記録、心とメモリ、容量、人生の記録容量……。

と、何でもいいのです。そうして何十個も単語やフレーズを並べて、そこからタイトルを発想します。本文と離れていてもいい。これはというものが浮かんだら、今度は本文とのすりあわせに入ります。

P.170
これは非常に面白いタイトルのつけ方です。

ポイントは、発想時には「本文と離れててもいい」ということ。

本文にしばられずに自由な発想をしたほうが、面白いタイトルが見つかるというわけです。

マインドマップで単語を次々と連想しても良いですね。


この方法なら、こんなことも起こりうるのです。

もしかすると、変わるのはタイトルではなく本文の方かもしれません。

P.170
これはとてもよくわかります。

私も、あとで良いタイトルを思いついて本文を書き直すことがよくあるのです。

それほど、タイトルは重要なもの

タイトルがつまらない記事は、本文を読んでもらえないからです。

私は思ったよりアクセスが得られなかった記事があれば、まずタイトルを疑うほどです。


ブログタイトルというと、本文の要約やポイントをタイトルにすることが多いかもしれません。

しかし一方で、それだと本文のネタバレになって、「本文は読まなくてもいいや」ということにもなりかねません。


みなさんも、タイトルをもっと真剣に考えてませんか?



まとめ

そもそも、なぜ文章を書くのか。

私は本書のこの一文が気に入りました。

書くということは、同時に考えるということです。

P.164
私はつまらない「思考停止人間」にならないよう、いろいろなことを考えたいのです。

自分について考えたり、他人について考えたり、ものごとについて考えたり。

考えるには、書くのが一番です。


本書自体には他にも
  • 流行りのキュレーションはカッコいいのか?
  • 文章の本質は「ウソ」
  • シナリオライターの「箱書き」手法
  • 書きたいテーマを見つけるには?
などなど、興味深い内容が多くありますよ。

いずれまた紹介するかもしれません。


【目次】
第1章 あなたは9歳の作文力を忘れている
文章の本質は「ウソ」である/プロはこうやって文章力を鍛える/小説とノンフィクションの違いとは/
ボキャブラリーは本当に必要か/自分にしかわからない感覚を文にするetc

第2章 プロ作家の文章テクニック
すべてを書いてしまわず、次の日に繰り越す/鬱、薔薇……難しい漢字は記号にすぎない/
短い文章には「メイン料理」だけを選ぶ/「余談だが」「ちなみに」には手を出すな/ヒッチコックはこうしてアイデアを捨てたetc

第3章 名文の条件とは何か
名文かどうかは、風景描写でわかる/著者の顔が見える作品は、つまりはダメな作品/
つくり話こそ、小道具が必要/文章は、真似から始まる/個性の正体とは何かetc

第4章 日常生活で文章力を磨く
ワープロか、それとも手書きか/朝には朝の、夜には夜の誘惑が/1、2行の日記でも文章はうまくなる/
メモにも必ず、年月日を記入する/料理のレシピの難しさとはetc

第5章 検索、コピペ時代の文章術
コピー&ペーストが文章を殺す/ランキング思考で直観力が衰える/キュレーションとは何だろう/
ネット辞書との付き合い方を考える/縮小のスパイラルの末、誰が残るかetc

第6章 書くために「考える」ということ
数字のウソに気をつけろ/その図は文章にできますか/記事に主張が盛り込まれているか/
書きたいテーマが見つからない/心に引っかかったピースをすくいあげるetc




次はどれを読みますか?

誰も教えてくれない人を動かす文章術 (講談社現代新書)10分間リーディングつっこみ力 (ちくま新書 645)





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管理人のつぶやき





コメント

勉強になります!

面白く読ませていただきました。

良い書き手の方は、「どう書くか」の前に「そのテーマや切り口の独自性」をきちんと客観的に調べてから書くんですね。。

自分が書こうとしていることをググるっていうのは私も今後やってみようと思いました。

ただ、独自性だけを求めすぎるとニーズがないことを書いてしまうかもしれませんので、「ニーズがあって、かつオリジナルである」。そのあたりのバランスが大切ということでしょうか。

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